第5話 開封の儀 100円スクラッチ①

「んじゃ、コレとコレ。あとこっちも。まだ10枚か」

「ファーストインプレッション分ってことだな」

「だね。判るように分けとこう」


「あとは末等10枚はこれかな?」

  ヒョイヒョイヒョイ

「セカンドインプレッション分が末等って、おぃ」

「いいじゃん。これも判るように分けとこう」


「バロンがさ、50枚選んでいいって言ったから、外れそうな50枚を残すように取るよw」

「おぃおぃ、全部ハズレだったらおいしいけど、画になんないじゃんよ~」

「原価の回収が出来たら、余剰分で奢るからw」

「うーん、しょうがないのかな?」

「ほーい、取り終わったよ~」



「ほんじゃ、削るか。ここからはカメラは固定で卓上のみ。

 サブモニタで確認しながら、削るところを撮るよ」

「どの順番で削る?」

「やっぱ当たりは後半だよな」

「だね。」

「となると」

「僕の側のはずれ予定30枚」

「うんうん」

「次いで末等10枚」

「その次は?」

「バロンのハズレ50連w」

「バッカでーww」

「オーラスの10枚の中からも予想で低い方から選んで削ろうよ」

「OK。それで行こう」


 シャカシャカ

 シャカシャカ

 シャカシャカ

しばし無音ってか、削り音だけが流れ、ハズレくじがどんどんと生産されていく。


「うん、全部ハズレだったね」

「まぁ、想定通りだけどさ、なんかこう...悔しくネ?」

「そりゃあ当たりは多いほど嬉しいよ。だけど僕の運の検証と、見極めの検証を兼ねてる訳だから」

「そっか」

「そう。だから、僕的には納得の結果だよ」

「じゃあ、次は末等10枚か」

「うん。楽しみ。これで10パック全部の末等だったら、見極めが出来てる可能性って高くない?」

「確率だと1/10の1/10...、0が10個つくんだから1/10,000,000,000 100億分の1!!」

「「すげー」」

「早よ削れよ」

「う、うん」

 シャカシャカ


「出たね」

「うん、全部末等だった」

「「ヤベー」」



「これって当選金額で言ったら最低保証が出ただけだよ」

「でもさ、でもさ、でもさ、確率が...」

「たまたま偏っただけかもしんないでしょ?」

「まっ、まぁね」



「次はバロンのハズレ50連。パフパフパフ~♪」

「ちっ、気楽に言ってくれるよ」

「だって気楽だもん♪」

 シャカシャカ

 シャカシャカ

 シャカシャカ

 シャカシャカ

 シャカシャカ

削り音と共に、ハズレくじがどんどんと生産されていく。


「むなしい...」

「いいから頑張れ」

 シャカシャカ

 シャカシャカ

 シャカシャカ

 シャカシャカ

 シャカシャカ

削り音と共に、ハズレくじがどんどんと生産されていく。


「やっぱむなしい...」

「あとちょっと」

「200円スクラッチの時はさ、デュークの選んだ分を削らせてくれよ」

「OK」

「残りやっちゃうか」

 シャカシャカ

 シャカシャカ

削り音と共に、ハズレくじがどんどんと生産されていく。


「終わった~」

「見事に全部ハズレ」

「こうなるとさ、あの10枚。すっげー期待できるんじゃね?」



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