第9話 時間は無情。ゆえに平等。

 時間。

 これが一番、人間がどうにもできないものなんじゃないかな。

 なんて思い始めた。


 光とか、空気とか、命さえも、色々なものを人間はどうにかしてきているけれども。

 時間だけは、どうにもできないんじゃないかなぁ。

 手を出してはいけない、というか。


 わたしは文系脳で、科学的? 物理学的? な事は文献読んでもさっぱり頭に入って来ないし理解もできないです。「時間は存在しない」という説もあるようですし、「時間は相対的なもの」とする説もあるようですし。

 だけど、じゃあこの過ぎていく感じはなんなのさ? 絶対に戻らないこの感じはなんなのさ?

 って。

 思う訳です。

 なのでわたしは「時間は存在する」「相対的ではなく絶対的」派です。


 確かになぁ。

 人によって、時には場合によって、時間の過ぎ方流れ方は違うように感じる。


 時空が歪んでいるから?


 う~ん、違うと思う。

 時間は、どんな場合でもどこの場所でも誰に対しても、無情で平等だと思う。

 無情、だからこその、平等。本当の意味での、平等。

 誰もこれを操作することはできない。


 だから、憧れるのかなぁ。

 タイムマシーンとか。タイムリープとか。

 あ、わたしは憧れませんけど。一度経験したことをもう一度おさらいとか、面倒なんで。

 過去に戻って、今はもう会えない人や子に会えるとしても。

 戻りません。

 過去にずっといられる訳じゃないですしね。

 過去をやり直せるとしても、わたしはわたしなんで、結局同じ選択をすると思うし。

 未来なんかに行っちゃったら、これから経験する楽しみが無くなってしまうし。

 ……恵まれているからそう思えるのかもしれない。


 歴史的に考えれば、阿呆な戦争とか、もし無かったら? ってね。

 ……でもなんだかんだ、その時止められたとしても、いずれは起こるような気がするな。

 人間はやっぱり、どこか愚かさがあるものなので。


 違う違う、こんなに重たい事を書くつもりはなくて。

(重たい話と真面目過ぎる話は、わたしには似合わないので!)


 やっぱり、ふとした時に思うんだよね。

 自分がものすごく楽しくてこの時間が永遠に続けばなぁと思う時だって、わたしが知らないだけで、どこかで誰かがものすごく苦しんでいたり悲しんでいたりして、はやくこの瞬間から抜け出したいって思っているかもしれなくて。

 その逆も、もちろんある訳で。

 時間にもし情があったら、それはもう大変な訳で。

 情が無いからこそ、淡々と時は流れる。

 それは残念でもあり、救いでもあり。


 だからね。

 時間だけは、人間がどうにかしていいものではないなって。

 思った訳です。

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