第29話

『灯先輩!灯先輩!』





三浦さんが去ってすぐ凜ちゃんがズズッとキャスター付きの椅子でこちらに近寄ってきた。




ちょっと、行儀悪いよこの子…!そして、何故かニヤニヤしてるんですけど…!





「な、何?」



私は少し引き気味で凜ちゃんを見つめる。




『実際のところ、三浦さんのことどう思ってるんですか?』




何を言い出すんだこの若者は。



私は目の前のニヤニヤしている若者もとい、凜ちゃんを見つめてため息をつく。




「ただの上司」




こう言うしかないじゃないか。ほかにどう言えばいいんだ。




そう言った私に凜ちゃんは『ちぇー』と不服そうな顔をする。




「ほかにどう言えばいいのよ。これしかないじゃない。」




三浦さんは上司以外の何者でもないからこう言うしかない。




『いやぁ、てっきり灯先輩は三浦さんのこと好きだと思ってました!』





今時の子の思考回路はおかしい。





確信した。

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