異世界でご都合主義の催眠チート能力使って、くっころ女の婚約者をNTRして恋愛関係になったら……ライバルが男奴隷集めて男ハーレム作ったので、こちらも負けじと建国して邪魔した政治家を「ざまぁ」してやった
楠本恵士
第一章・転生も転移もない、テンプレ異世界で二人の女が天に向って不満を叫ぶ
第1話・夢の叶った女と叶わない女
「あーっ、眠いいぃ……なんで、真っ暗な時刻から、うら若い乙女が夜逃げした親父に代わって小麦粉こねて、真っ白くならないといけねぇんだよぅ」
とある異世界の田舎町──パン屋の娘の『カカ・カンディル』は不満そうな顔で、小麦粉をこねていた。
ブツブツと文句を言いながら、失踪した父親に対する恨み込めてパンをこねる。
「なにが、スローライフな生活だ……こんなの、ただの不便な田舎暮らしじゃねぇか」
カンディルの父親は、田舎のスローライフを夢見て引っ越してきてパン屋を開業したが挫折して、夜逃げした。
後に残ったのは開業した時の借金のみ……父一人娘一人の生活で、しかたなく少しばかりの父親の仕事を手伝っていたカンディルがパン屋を引き継いだのだが。
「あーっ、もうやめた、やめた、今日はお店休む……どうせ、あたしがこねて焼いたパンなんか、買うヤツいないし」
事実、カンディルが作るパンは固くて不味かった。
パンに込めるのは、不平不満ばかりだから、
「腹が立ったから、二度寝する」
◆◆◆◆◆◆
日が高く昇った午後──店を臨時休業にしたカンディルは、村を見下ろす小高い丘に売れ残りの、昨日のパンとミルクとチーズを突っ込んだバスケットを持って登ってきた。
見下ろすと、米粒以下のサイズに見える村人や牧草を食べている家畜が見えた。
カンディルは、一人悦に入って呟く。
「見ろ……人や家畜がゴミのようだ……なーんてな」
平らな石の上に腰を下ろしたカンディルは、持ってきた小麦色に日焼けしたパンをかじって一言。
「まじぃ、こりゃ売れないわ……あはははっ」
カカ・カンディルが、ミルクでパンを胃袋に流し込んでいると、丘を登ってくる人陰が見えた。
首から下に鎧防具を装着した女性騎士が、丘の石の上に座っているカンディルを見て言った。
「やっぱり、マズいパンを焼くカンディルだ、久しぶり」
「ララ・ラーテル……いつ村に帰ってきていた」
ラーテルと呼ばれた騎士は、カンディルの隣に腰を下ろす。
カンディルとラーテルは、幼なじみだった。
カンディルが、炭化寸前のパンをラーテルに差し出して言った。
「食うか? あたしが焼いた二日前の売れ残りの固いパン」
「食事は済ませてきたからいい……腹を壊したくないから」
「言うじゃない」
しばらく、カンディルとラーテルは無言で田舎の村を眺める。
チーズをかじりながら、カンディルがラーテルに訊ねる。
「夢が叶って騎士になったって噂は、本当だったんだな……男にモテるだろう」
「たまに『くっ殺せ』と言うと、男たちはなぜか喜ぶ……その中の一人と婚約した」
冷ややかな目で、共に丘で夢を語った幼なじみを眺めて言った。
「ほう、あの泣き虫のラーテルに婚約者がねぇ……おめでとう、夢は叶ったわけだ」
ララ・ラーテルの夢はくっころの女性騎士になって、男と結婚して幸せな家庭を築くことだった。
ラーテルが少し、皮肉を込めた口調でカンディルに訊ねる。
「で……カンディルの夢は叶ったの? 建国して一国を治める
「現在、進行途中……パン職人は仮の姿」
「ふ~ん、まぁせいぜい頑張ってね……じゃあね」
カンディルは、相変わらずイヤミな女だと思った。
平らな石から立ち上がった、ラーテルにカンディルが言った。
「その婚約者に、あたしも紹介してよ……挙式には、あたしも招待してくれるんでしょう」
カンディルは嫉妬から、もしもラーテルの婚約者がいい男だったら、
ラーテルが自信満々の口調で言った。
「いいよ、紹介してあげる……一ヶ月後に彼と挙式するから、この村に呼んでいて村に一軒しかない宿屋に宿泊しているから」
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