　俺はルミナス王都の入り口に立っていた。ここは勇者軍の主要拠点の一つであり、警戒は厳重だ。しかし、俺にはすでに潜入の手段があった。

「このバグ技が使えれば、警備なんて無意味だな」

　俺は“壁抜け”のバグ技を発動し、簡単に王都の内部へ潜入した。兵士たちは誰も俺の存在に気づいていない。

（さて、勇者たちの秘密会議の場所はどこだ……？）

　事前に得た情報によると、勇者軍の幹部たちは城の地下にある隠し部屋で秘密会議を開くらしい。

「なら、そこに向かうだけだな」

　俺は王都の裏路地を進み、地下へ続く階段を見つけた。慎重に足を踏み入れ、物音を立てないように進む。やがて、会議室の扉の前にたどり着いた。

「……聞こえるな」

　扉越しに中の会話が聞こえる。俺は耳を澄ませた。

「勇者様、やはり魔王軍と同盟を結ぶのは危険では？」

「しかし、今のままでは戦力が足りません。もし魔王軍と一時的に手を結べば、共通の敵“神々の監視者”に対抗できるかもしれません」

（……何だそれ？）

　勇者軍と魔王軍が手を組む？しかも“神々の監視者”とは……？

（これは想像以上にやばい話が動いているな）

　俺はこの情報をどう利用するか考えながら、会議が終わるのを待った。

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい