第22話 宵宮 夢莉-よいみや ゆめり- ②

私は、彼らを見ていた。


透花を苦しめた存在たちが、後悔して、苦しんで、それを見て、透花と一緒に共感出来ると思ってた。


でも、夜見は立ち直り、詩乃も前を向き始めた。

柚葉は自分の嘘を認め、篠宮先生に本当のことを話した。先生は、自責の念に苛まれながらも、自分にできることを探し始めた。蓮は、透花の死を背負いながら、それでも自分を変えようとしている。陽菜は、叫んで、泣いて、それでも生きることを選んだ。


——私は、それを見て、怒りがこみ上げてきた。


何なの?みんな、勝手じゃない?


透花を苦しめたのは、あいつらなのに。

透花を孤独にしたのは、あいつらなのに。

透花がどんな気持ちで死んだか、誰もわかっていないくせに。


なのに、なんで立ち直ろうとしてるの?

なんで、幸せになろうとしてるの?


——透花が、かわいそうだ。


透花の死を無駄にするな!


それが、悔しくて、悔しくて、たまらなかった。


——ねえ、透花。


私は許せないよ。

あなたがあれだけ苦しんだのに、彼らが救われるのは、間違ってるよ。


透花、あなたは怒らなくていいの?

泣かなくていいの?「ずるい」って、叫びたくならないの?


——ねえ、透花。

私は、あなたのために、怒ってもいい?

私は、彼らの幸せを、許せない。

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