第4話誰だろう?

愛梨奈がミルクを飲んでご機嫌なのでベビーベッドに寝かしてみる。泣かずに自分の拳で遊んでいたので、その間に2人で食べはじめた。


愛梨奈が生まれる前は自然と会話があったはずなのに今は話題探しをしている自分にビックリした。


愛梨奈の話題ばかり話してあっという間に食べ終わった。


『ごちそう様でした。』手を合わせて言う。


「美味しかったねー。久々にピザ!」周平の顔見て言う。


「なー。美味かったな。」周平にすぐに目をそらされる。


「あっ!!明日、まりとランチに行く予定なの。」忘れないうちに報告しとこう。グチグチ言われそうやし。


「えっ。どこに??」周平に、ちょっと焦ったカンジがみえる。


「駅ビルのカフェ。畳の個室があっていいの!その後、家に来てもらって、話す予定なんだ。ダメだった??」周平の顔が浮かない。何か都合悪いのかな?


「ダメじゃないけど‥‥‥。」なんか、はぎれが悪いな‥‥‥。まぁ〜。いっか〜。どうせ、この間の階段の出来事がひっかかってるだろうな。いいかげん、しつこい気がするよー。


「ちゃんと気を付けるよ」なんか不機嫌に言われる。なぜ不機嫌?と思うけど、また癖で「ごめん。」っと言ってしまう。


「ごめん。うん気をつけるね。」


何を気をつけるんか分からないけど良いか〜。


そのまま愛梨奈が起きないので私もお風呂に入り‥‥愛梨奈と一緒に寝室に入る。周平はリビングのソファーでスマホを見てたから先に寝る事にした。




翌日の朝、横を見ると周平が寝ていた。いつベッドに入ったかわからないけど、ちゃんとベッドに来たんだな。


「あ〜。ゔ〜。」っとかわいい声で愛梨奈が目覚めた。


「おはよう。愛梨奈」愛梨奈を抱っこしてリビングに移動する。ミルクをあげてオムツをかえて朝ごはんの準備をして周平を起こす。朝は1人で毎日バタバタだな。


「おはよ〜。朝だよ。」


「ゔ〜〜。おはよ。愛梨奈は?」


「起きてミルクも飲んでリビングにいるよ。」


ガバっと飛び起きてリビングに向かう。


「愛梨奈への愛が強すぎ」って周平の背中にむけて笑う。


「愛梨奈〜おはよう。」っと抱きあげる。


「も〜早く。ご飯食べないと遅れるよ。」


「あ〜。休みたい。」


「行ってください。」っと笑う。


「今日、マリと予定があるから絶対に行って!」っと笑う。


「あ〜。気を付けてね。何かあったらすぐに連絡して。」


「何かって何があるの?」不思議に思って聞く。


「何かだよ。」っとちょっと恐い顔でいう。また、癖で‥‥‥‥「ごめん。わかった。」最近、おかしいかも周平??うーん。わからんね‥‥‥‥。


周平を無事に送り出し。バババッと家事をこなして、出掛ける準備も完了して大人しくしてくれた愛梨奈に声をかける。


「愛梨奈〜お出かけするよ。」っと目があうとニコツと笑う愛梨奈を抱っこして出かける。


マンションのエントランスの下でショートカットの女性に会釈されて会釈する‥‥‥。


あれ?誰だろう??住民の方かな??会った事ない人だなー。たぶん。




駅に着くと‥‥‥。


「りさー。」っと声が聞こえて振り向くとマリが海くんを抱っこして手を振ってる。


『暑いね〜。』


『早くお店入ろう』


2人とも同じ事を言って笑い合う。


マリとマリの夫の隆君と周平と私の4人は同じ大学の同級生。結婚も同じ頃にしたが二組とも、なかなか妊娠できなくて悩んでいたんだけど同時期に妊娠をして無事に2人とも出産した。


出産後も家族ぐるみで交流が続いている1番の親友。




お店に入ると個室に案内される。畳だから海君と愛梨奈を抱っこ紐から下ろして寝かす。


「暑すぎるよね!!」っとマリが海君の汗を拭きながらいう。


「ほんとうに〜。先に注文して〜ミルクをあげようかな??」


「そうしよう。何にしようかな〜??」メニューを見るも‥‥‥すぐに決まる。


「やっぱりおすすめランチコースやね。」マリが言う。「うん。」笑って返事をする。


いつも、おすすめランチコースを頼む2人。


注文後にミルクをあげながら近況報告する。


「隆がさ〜。仕事を独立したい。ってずっと言ってる〜。」腕組しながらマリが言う。


「えっ?今?10年後とか?」ビックリして聞く。


「近いうちに〜だって。ゔ〜ん。今じゃないよね。」


「うん。わかる。海君が生まればっかり。今じゃない。」っと頷く。


「でしょ!今じゃないんよ〜。15年後なら良いけど」っと笑う。15年後は遅いかも‥‥‥わからないけどね。


「りさのところは?何かあった?」


「何もないんだけど、一昨日、デパートの階段で何かがぶつかってきたの!手すり持ってたから何にもなかったんだけど。」


「えっ!押されたの?」ビックリして声が大きくなってマリが自分の口を抑える。


「周平も言ってたけど押されたって言うより何かぶつかってきたの。」


「何かって何よ?人?人なら押したんだよ!!」うーーん。確か!


「ゔ〜ん。ビックリしてちょっとの間放心してたからわからない。」思い返そうとしたが何も思い出せなかった。首を傾げてみせる。


「はぁ〜。愛梨ちゃんがいるんだから〜分からないでは恐いよ!!」マリがちょっと怒っていう。


「ハハハっ。周平もこの話をしたら恐い顔してた〜。」


「ハハハっじゃないよ。もう〜!呑気なんだから!」背中をバシっと叩かれる。


「そうかな??心配しすぎだよ。周平が心配しすぎて昨日、外出禁止だったんだから!」


「ハハハ。さすが周平!大学の時からリサへの愛が重かったもんね〜。」


「イヤイヤ。今は愛梨奈への愛が重すぎる。私への愛なんてかっるい・かっるい」っと笑う。




『ごちそう様でした。』


『美味しかったね〜。』


また、ハモってしまい笑い合う。


「愛梨奈も海君もお利口さんすぎて助かるね〜。」


「本当にお利口よね。でも、月齢が上がってきてハイハイとかしだすと大変かも。こわ〜」っと震えてみせるマリを見て笑う。


「暑いから近いけどタクシー乗る?」タクシーを見てマリに聞く。


「ゔ〜ん。近いから歩こう!」


あっ!!マンションのエントランスにいたショートカットの女性が店の前にいた。また、会釈されるので会釈をかえす。誰かな?マンションのエレベーターで一緒になって話した事とかあるんかな?思い出せない‥‥‥。


「知りあい?」マリの声で我にかえる。


「分からない。行く時にマンションのエントランスで会って会釈されて返した。マンションの人かな??思い出せない。」首をかしげる。


「わかる。出産後‥‥バタバタで忘れやすくなったよね〜。」


「わかる。わかる。」と笑う合う。




「おじゃましまーす。」マリが言って玄関をあがる。


「どうぞ〜。コーヒーいれるわ。」マリをリビングのソファーに誘導してキッチンにいく。コーヒーを入れてリビングのソファーに座る。


「これ食べよ!」っとクッキーの入った紙袋をマリから受け取る。


「ありがとう。お腹いっぱいだけど、なぜか食べれる。」


「同じく。」顔を見合わせて笑い合う。


絶え間なく話して笑ってすごく楽しい時間が続いた。マリが腕時計を見る。


「あっ。もう16時過ぎてる。帰りたくないけど帰らないと‥‥。」


「え゙〜。もう、そんな時間か〜。楽しい時間は早い。」


「本当〜。」


「タクシー呼ぶ?」


「お願い。」


タクシーが到着してマンションのエントランスまでマリたちを見送りに降りる。


そこに、またショートカットの女性。会釈されたので


「今日は、よく会いますね。」っと話しかけると


少し間があり


「そうですね〜。」っとマンションには入らずに立ち去った。


首をかしげながらマリに


「本当に誰か分からない。」って言う。


「マンションだと、私もそんな人いっぱいいるよ。」っと言われ。ホッとして


「そうよね。ごめん。早くタクシー乗って。」マリに手を振る。


「うん。またね〜。」っとマリ達は帰っていった〜。


マリの言葉でホッとして、また、深く考えなかった。






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る