第9話

その日から、

坂田にすっかり見放されてしまった。


「坂田。」


会うたび、坂田に何度そう言っただろう。

でも、坂田は、振り向いてくれさえしない。



……悔しくて、仕方なかった。



足の傷は、全治3週間。

もう少しで、夏休みが始まってしまう。

そうしたら・・・

そうしたら、もう・・・・・・。





あたしは、

いても立ってもいられなくなった。

あたしがボーっとしているからか、

みみりんがいつも、心配そうに

あたしを伺う。


ある時、

「一発、殴りたい。」

あたしが、そう言ったのを みみりんは、逆に変に驚いていた。


「え?殴りたい?」

みみりんが、言う。


「誰 殴るの。」

「坂田。」

すると、みみりんの瞳が、輝きだした。

なんというか、

おそらく、わくわくしてる…

そんな状態なのだろう。

「え?殴りたいの?


よし行け!!


殴って来い!!!」


「うし、行ってくる!!!」

あたしは、気合を入れて、

足を踏ん張ったら、

いきなり稲妻がはしった。


「がっっ!!!


いった~~---っっ!!!」


つい、屈むと、

みみりんが

「神様が見ていたみたいだね。」


それはそれで、感心して見てたというか、これもまたワクワク・キラキラした瞳で、あたしの顔を覗き込む。


これが、あたしの友達なんだよなぁ。


新しいタイプのお笑いが好きそう…。


それは置いといて、

あたしは、

みみりんが、あたしの事を 変に心配しなくなったのが、気持ちよくなってきた。

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