第19話 ゴブリン艦登場

依頼エリアに到着すると確かにデブリがバンバンて飛び交っている。

「艦長これはひどいですね。これじゃ鈍重な採掘船は侵入できそうもないです」

「しかし、お前だってデブリ回収艦なんだろう」

「私はデブリ回収も任務の一つですが多機能作業艦ですから問題ありません」

「そうなのか。確かに操縦性は敏捷だよな」

「はい。武装をフル装備に転換すれば軽巡扱いになりますし」

「そんなに協力なのか。それならゴブリン艦なんて余裕だな」

「はい。ゴブリン艦なら十隻くらいいても負けませんよ」

「でも、今は武装フル装備ではないんだろう」

「はい。軽作業装備です」

「それでもゴブリン艦なら勝てるのか?」

「ゴブリン艦なんて私の連射レーザー砲でハチの巣にしてやります」

「うーん。射撃もしてみたいからゴブリン艦出ないかな」

「それより今回はどういう方針でいきます?」

「時間も早いしあまり価値は気にせず多くのデブリを回収しよう」

「それなら順次ターゲット表示で良いですか」

「それで行こう。ただ、高額なデブリを発見したら別表示してくれ」

「了」

「あ、それでシャチはどのくらいデブリを収納できるのか?」

「私は時空格納機能を持っていますからデブリくらいならほぼ無限に収納できます」

「へっアイテムボックスもちなのか?」

「アイテムボックスってファンタジーじゃないんだから時空収納と言ってくださいよ」

宇宙世界なのにアイテムボックスを使えるなんてチートじゃないのか?

「それじゃ艦長操縦シートへ移動願います」

「了」

「シャチ艦、渡、いきまーす」

メインエンジンを点火して最初のターゲットに接近し、トラクタービームで回収する。

回収すると次の目標がいくつか表示される。

ターゲットを選択して移動するのを繰り返していく。

スクリーンの端に回収数が表示されている。あっという間に百を超えた。

「ずいぶんと順調だな。これじゃ後からくる連中はデブリがあまりないと文句を言いそうだ」

「アラート!アラート!」

「どうした?」

「ミサイルが接近してきます」

「敵がいるのか?」

「いえ、前の先頭の時の残りミサイルと推定されます。レーザー砲で撃ち落としてください」

「おっ射撃だね。それも得意なんだ」

スクリーンに赤いターゲットスコープがでてくる。

トラクタービームをレーザー砲に切り替えてトリガーを引く。

無事ミサイルを捉えて破壊した。

うん初射撃成功。

その語も大量のデブリを回収していた。

「アラート!アラート!」

「今度はなんだ?」

「ゴブリン艦です」

「どこだ?この先の小惑星の裏側です」

「どうしよう?」

「攻撃してみます?」

「大丈夫かな?」

「レーザー砲で余裕で破壊できます」

「よし、後続の連中のためにも破壊しておこう」

ターゲットスコープはゴブリン艦が隠れているあたりに表示されている」

スピードを上げてゴブリン艦に接近する。

あ、ゴブリン艦が影から姿を現してきた。

なかなか大きいな。200mだからシャチ艦の倍近くあるじゃないか。

「モスグリーンのでこぼこした環形は棍棒のようだ。

レーザーを撃ってきた。

スラスターを駆使して回避する。

確かに発砲を検知してからでも回避可能だ。

よしこちらも応戦だ。

ゴブリン艦のどてっぱらを目掛けてレーザー砲を打ち込む。

命中。装甲部分が吹き飛ぶ。

よし船体の金属部が露出したぞ。

今度は精密射撃で露出部を狙って連続射撃だ。

良し!2発命中。

「ゴブリン艦のエンジンにダメージを与えました」

「さらに接近して打ち込むぞ」

大型ミサイルがあれば一発で撃沈できそうだが。今装備しているのは自衛用のミニミサイルだけらしいのでダメージ部にレーザー砲を集中射撃する作戦にしている。

みるみるうちにゴブリン艦が近づいて大きく表示される。

まだ早い。ぐっと接近して一転集中れーレーザー砲撃をかます。

レーザー砲は3連装なので通常は平行に射撃するが集中射撃は一点に向けて射撃する。

「全部命中しました。ゴブリン艦は爆発します。退避願います」

もちろん言われる前に反転して離れる方向に向かう。

「良し、最初の戦果だな」

ゴブリン艦が爆発するのを見てそう思った。

「さすがです艦長」

「まあシャチの性能が良いからだというのも大きいが」

「まあね。艦長もなかなかです、はい」

「ついでに爆発で生じたデブリを回収するか」

「そうですね。よさそうなジャンクデブリが沢山ありますし、そうしましょう」

ジャンクデブリと装甲材のデブリを回収しまくった。

ちゃんと掃除してきれいにするのが礼儀だよな。

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