第4話 宇宙で実地試験かよ
「試験はな。ギルド所有の試験用機で8つのチェックポイントを通る形で行うぞ。宇宙船を操縦したことはあるのか」
「はい。ここに来るときに救命艇を操縦しました」
「それなら大丈夫だな。シュミレーターで練習もできるしな」
「はい。練習させてください」
「こっちだ」
まるでシューティングゲーム機みたいな筐体に連れてこられた。
「8つのチェックポイントを全部通過すればゴールだ」
「俺は登録試験は一発合格したぞ」
食堂にいた小柄な男が試験官も僕との会話に紛れ込んできた。
「こいつは今はD級になったギルドメンバーの男だ」
「D級なんでね。ベテランですね」
「まだまだこれからさ。俺はA級になってガンガン稼ぐ予定だからな」
「A級とは大きく出たな。ひよっこが」
どうもこの男。自己意識が高い奴らしい。
「俺はイバリというんだ。おまえは?」
「渡です。よろしく」
「試験に落ちてもあきらめるなよ。何度も挑戦できるから」
「ありがとうございます。がんばります」
「もちろん最初はシュミレーターで練習からだ」
「おい新人。シュミレーターだからと言ってなめてかかるなよ。宇宙に出ているつもりで本気でやれよ」
「はい、イバリ先輩がんばります。よろしくご指導願います」
なんかこの先輩、何かと口出ししたいタイプらしい。トラブルのも嫌だし。従順なふりしておこう。
「おう分かったよ。まずは俺様が見本をみせてやらあ。しっかりとみておけよな」
「どんなすごいスコアをたたきだすのか楽しみだなあ」
「まずは姿勢をしっかりと取ること。この筐体は実機と同じサイズだからな」
「シートには深く腰掛け腕はぴんと伸ばして軽く左右のスティックを握りペダルに足をのせる」
「はい先輩」
「それじゃスタートするぞ。俺の華麗な飛行を見てみろよ」
ずいぶんと自信満々じゃないか。相当、訓練しているのか?
「まずは第一チェックポイントに向かうぞ」
「タイムトライアルだからのんびりしていると失格になるぞ」
「ゴールが第8チャックポイントだからひとつのチェックポイントを十秒ちょっとで通過しないとだめだ」
「へえ。そうなんですね。先輩は最初のとこを十秒ジャストで通過でいか」
「すごいだろう。これくらいなら余裕で時間内にゴールできるのだ。
あれ思ったより時間かかってるな。そういうものなのか。
「ここで加速して時間短縮をねらうぞ」
なんかスピードが上がってきたらなんか操縦が雑になってきたな。
ありゃチェックポイントを通らず通過したぞ。戻っるしタイムロスだ。大したことない先輩かもしれないな。
「ほらゴールだ。久しぶりだし55秒かまぁまぁかな。
「いえ規定時間より5秒も短縮していますからすごいです」
なんつって。ミスもあったし大したことないな実際は。
「次はお前だ。やってみろ」
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