それでも俺は、女性が好きなんだ!
平野とまる
第1話
「もうこんな人生嫌だ」
そんな言葉が自分自身の口から勝手にこぼれる。
正直ふざけんなと叫びたい! いや、ぶっちゃけ俺は叫ぼうとした。
のだけれども、俺の意思は体に反映されず、相変わらず自分自身は自室のベッドの上で寝転がって文句を言い続けるのだ。
「ほんとなんで女って気持ち悪いんだろう。母さんも
くそが! なんで俺は自分自身の口すら止める事が出来ないんだ?
確かに同情の余地がない訳じゃぁない。
が、少なくとも
どうしてそんな相手にすら暴言を吐けるんだ?
「嫌だ嫌だ嫌だ、僕はもうこんな世界もう嫌だよ」
じゃあ俺と変わってくれよ!
もう散々なんだよ、お前からクソみたいな言葉を聞くのは。
育ててくれている恩すら感じられてないみたいだし、ほんとクズだなお前はよ。
なんで俺が生まれ変わったらお前になるんだ。
確かに――そう、確かにこの世界の女性達は俺の知っている女性とは違うのは認めよう。
俺の知っている前世の女性は男より力は弱かったし、男より性に対して消極的だったし、なにより男の数倍も人数が生まれてくるなんて事もなかった。
そして、男だって前世の男より貧弱だし、消極的だし、陰湿だし、止めに女性が苦手な者の割合が凄く高い。
そう言う世界なんだって、俺だってここまでなら呑み込む事が出来た。
女嫌いだって、今までに酷い目に合って来た事をそれこそ俺自身も見聞きしてきたから理解できる。
だが、俺が譲歩できるのもそこまでだ。
いくら何でも明らかに大切にしようと、限りなく努力してくれている人達を罵るのは違うんじゃないか。
全く非が無いとは言わないし、されて嫌だった事に対して嫌と言うまでなら俺だって寧ろ賛成さ。
だけどよぉ、常日頃から文句を言うのは絶対に間違っている。
お前が今辛くて布団に包まって声を押し殺して泣いているように、家族の皆も泣いているんだよ。
お前が真っ赤に目を腫らしたのと同じようになっているじゃねーか。
それに気付いているのか気付いてないのか知らねーが、そんな状態の相手になおも攻めるような言葉を毎度毎度毎度毎度飽きる事無く言い続けるんじゃねーよ。
くっそ、めっちゃ腹が立って仕方ねぇ。
なによりも、何もできない俺にイライラが止まらねーよ。
どうして俺はこんなにも無力なんだ?
何もできないのに、なんで俺はこうして意識だけ転生しちゃったんだ?
神様よぉ、これじゃ感謝して良いのかどうかすら分からねーじゃねーか。
って、あれ? なんかこいついつもと違う行動取り出したぞ?
うーん、部屋から出てこそこそどうするつもりなんだ……。
もしかして、まだ美穂さん達に文句が言い足りないのか?
ふざけんなよ!
どうして母親も、姉も、年下の妹にすら配慮できねーんだ!
だいたい、何が同じ空気も吸うのも嫌だよ。そんなもんどうしようも……ん?
あれ? なんか本当に様子がおかしいな。
どうした? 薬箱なんか漁って。
……おいおい、これってお前が暴言吐き出したせいで不眠症になっちゃった美穂さんが処方してもらっている睡眠導入剤じゃねーか。
嫌な予感がするが、お前まさかそいつを仕込んで誰かに飲ませようって訳じゃないよな?
それとも、まさか自殺でもする為に飲もうとか?
どちらにしても最悪じゃねーか。
元々愛想が尽きていたけど、更に愛想が尽きたわ。
……あー、はいはい。自分で飲むんだな。
うーん、まあ……そうだな。他の誰かに飲ませるよりはマシかもしれねーな。
はあ、あるだけ飲みやがって。
どのくらいが致死量になるか知らないが、意外と死にきれずに障害だけ残って苦しむ事も結構多いんだぜ。
ほんと軟弱と言うか救いようがないと言うか……テレビで男性の自殺者の増加が云々言ってたけど、マジで救いようのない世界だな。
あー、くそ、眠たくなってきたじゃないか。
ちくしょう、死にたくねぇなぁ。
折角転生したってのによ、ほんとなんだったんだよ。
……だめ……だ、……もう、……い……しき……が……――。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます