第9話突入作戦

神聖教会は本拠地バチカンの近くに突如として現れた巨大タワーを排除する為に急遽、突入部隊を編成した

「各地の精鋭が集まるまで何事もないとは思えん、危険だがやるしかないだろう」

突発的な出来事の為、各支部に情報を送りこそしたが昨日の今日ですぐには精鋭は到着出来ない、しかしだからと言ってこのまま手をこまねいている訳にはいかない

タワーの内部に何が待ち受けているか分からない、細心の注意を払って突入する」

突入部隊を指揮するのは引退間近のこの支部で最も歴戦ベテラン執行者エクスキューショナーのアクベスである、その彼女でさえ緊張を隠しきれない程の不穏な何かがタワーの中から感じ取れる

「やれやれ、何だか厄介そうね?」

突入部隊にはこの支部最年少のロシアからやって来た天才執行者エクスキューショナーのアーシャがいる

「厄介で済めば良いがな…」

そのアーシャの相棒パートナーであるミランダは十字を切り己の信じる神に祈りを捧げている

そしてついに突入作戦が決行される、その先に待ち受けているであろう苦難を予感させながら


神聖教会が決死の突入作戦を展開しようとしている頃、吸血鬼狩りヴァンパイアハンターエリザベスは屍人アンデッドが徘徊する廃墟と化した街の最奥に辿り着いていた

「アンタ、【死霊候マキエ】じゃないな?」

その姿はかつて相棒パートナーを殺害した時の姿、しかしその後に親友ともを殺害した時は姿が大きく変わっていた

「そう言えばキミのお友達を食べた時に初めて怪鳥と融合した姿を見せたんだっけねえ?」

そう、かつての【死霊候】はちゃんとした二本足だった、身体も今のような三体の身体が歪に縫い合わさった外見ではなかった

「本体の下半身に融合してる怪鳥は雛なんだ、親鳥の方は大き過ぎて使い勝手が悪くてね」

少なくとも相棒パートナーを殺害した時は普通の人型の姿だった、それが親友ともを喰らった時には既に今の異形の姿に変わっていた

「その姿は?」

ならば今目の前にいる存在マキエ幻覚魔術イリュージョンなのか?それとも遠隔操作用リモート別の肉体フェイクカバーなのか?

「これは手頃な屍人アンデッドを私の姿に仕立てて遠距離から操っているのさ」

どうやら後者のようである、しかしエリザベスからすれば仇に会えこそしたもののそれは遠距離操作用リモートコントロール偽者フェイク真実まことの仇ではない

「そんな偽りフェイク肉体ボディーでアタシに敵うつもりでいるってわけ?舐められたもんね!」

失望と苛立ちから無造作に発砲する、相手は回避も反撃の素振りも見せず無抵抗に銀の弾丸シルバーバレットが直撃する

「クソが!」

心の中にある怒りを吐き捨てる、ここまで奮闘したものの宿敵かたき偽者フェイク、結局は骨折り損である

「無駄骨ついでに教えておいてあげようかな?ローマに行ってごらん、とっても面白い舞台ものが見れるよ?」

偽者フェイク肉体からだが崩れて消え逝く中で【死霊候】が微笑みとともに告げる、次の舞台ステージへの誘いを

「そこにアンタの本体でもいるの?」

その問いに唯、笑みを浮かべて崩れ去る

「ローマ…ねえ?」

それは【死霊候マキエ】からの罪深き欲望の塔テメンニグルへの招待状てまねきであった

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る