チートスキルを使わずに努力だけで最強になった俺、今さら周りがチートに頼るのを見て冷める
katura
異世界転生、しかしスキルは「なし」
気がついたとき、俺は白い空間に立っていた。
「おや、目が覚めたようだな」
目の前に浮かぶのは、神々しい光をまとった老人。どうやら、俺は何らかの事故で死んだらしい。だが、話を聞く限りでは転生できるとのこと。
「転生者にはスキルを授ける。それが、異世界で生きるための助けとなるだろう」
なるほど。いわゆるチートってやつか。俺は期待に胸を膨らませた。だが——
「……おや? これは……」
神の表情が曇った。
「おかしいな、スキルの付与が……できない?」
「は?」
「……すまぬ。何かの手違いか、お前にはスキルが一切与えられないようだ」
「え?」
異世界転生ってのは、スキルを貰って無双するのが定番じゃないのか?
「まあ、頑張るといい。異世界は厳しいぞ」
そう言うと、神は手を振り、俺の意識は闇に落ちた——。
目を覚ますと、俺は城の中にいた。
「ようこそ、新たなる勇者たちよ!」
目の前には豪奢な装飾の王座に座る王様。そして、その周囲には俺と同じように光に包まれていたであろう十数人の若者たちがいた。
「おお、異世界転生モノっぽいな……」
そんなことを呟きながら、俺は自分の体を確認する。どうやら15歳ぐらいの少年の姿になっているらしい。
そこに、王国の魔術師らしき男が現れた。
「では、勇者候補たちのスキルを確認しよう」
ひとりずつ、魔法陣の上に立たされ、スキルが読み上げられる。
「レオ・フォン・エクスカリバー——スキル『経験値10倍』、『勇者の剣技』!」
「すごい! これならレベルがすぐ上がるぞ!」
「ミリア・ヴァイス——スキル『無限MP』、『神聖魔法の加護』!」
「やった! どんな魔法も撃ち放題だ!」
転生者たちは次々とチートスキルを獲得し、歓声を上げる。そんな中、俺の順番が回ってきた。
「アレン・クロウフォード——スキル……なし?」
「……え?」
場が静まり返る。
「え、マジ? スキルなし?」
「勇者候補なのに?」
「っていうか、普通の村人以下じゃんwww」
ざわめきが広がり、笑い声が聞こえた。王も困惑している。
「……ふむ。スキルがない者を王国で養う余裕はない」
そして、俺に下されたのは——
「お前は、王国には不要だ。辺境の村に追放する」
——追放だった。
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