第13話:ねえ、セックスしよ!
「ネル帰るぞ・・・さっき見たことをジャンクショップのMに報告だけでも
しとかなきゃ・・・報酬もらえないからな」
なもんで俺はまたネルをバイクに乗せてジャンクショップに向かった。
俺はネルと一緒にMのジャンクショップにやって来た。
ネルを連れて店の中に入るとカウンターの上に猫のQがいた。
Qは俺とネルの顔を見ると、ニャ〜って一声鳴いた。
そしたら、店の奥からMが出てきた。
よくできたシステム。
一応何があったか俺はMに報告した。
それを聞いてMは、満足そうに分かったってふうに頷いた。
いったい、あの倉庫で何が起きてたのか聞いてみた。
そしたら
「本当は極秘なことなんだが、ある人物の誘拐事件が絡んでたんだ」
「お前が見たとおりのことなら、俺のクライアントの要望は果たされたって
ことになるから、この案件はクリアだな」
「御苦労だったな・・・今回のお前の仕事は終わった」
「お前の後ろにいるのは、おまえの女か?」
「そうだけど・・・」
「て、言うか危険な場所にそんな可愛い彼女を連れて行ったのか?」
「だけど連れて行って正解だったよ・・・俺この子に助けられたから」
「この子ガイノイドだからね、めちゃ強いからね」
「あるほど・・・おまえより頼りになりそうだな・・・」
「もし、俺が別れるなんて言ったら腕の骨の5本くらいは折られるかも」
「なに言ってんの・・・そんなことしないよ」
「冗談だってば・・・」
「店の中でノロケはやめてくれないか?」
「ほれ、今回の仕事の報酬だ・・・受け取れ」
「おまえは信用できそうだ・・・どうだ・・・このまま、この手のバイト
続けてみる気あるか?」
そしたらネルが俺の袖を引っ張った。
「分かってるって・・・」
「ああ、申し訳ないけど・・・バイトは今回限りにするわ」
「彼女のために長生きしてやりたいから・・・」
「そうか・・・まあいい、もし気が変わったらいつでも来な」
「ああ・・・ありがとう・・・世話になったな、じゃ〜帰るわ」
俺はネルを連れて店を出た。
あの倉庫であった出来事の誘拐事件ってなんだろう?
バイクで走ってレジデンスに着く頃には空が白けて夜が明けかけていた。
俺の中で今夜の出来事の興奮がまだ収まらない。
「トッキー帰ったら、いの一番にセックスしよ!!」
「分かってる」
「なんかさ、ヤバい仕事やり終わった後は妙にテンション上がってるからな」
「思い切り発散して気分沈めたいよな」
「だね」
そのままのモチベーションで俺はネルを抱く・・・抱きたくてしかたない。
で、疲れたまま死んだように眠りたい。
あんなヤバいバイトをやっていたらいつかは命を落とすかもしれない。
ネルのために、俺のために、これからはまともなバイト探そう・・・あとは
バイク屋の仕事を真面目に頑張ろう。
俺が地に足をつけた生き方をすることをネルも望んでるからな。
俺はバイクを返してネルと一緒にレジデンスに帰ってきた。
玄関を入るなり、それははじまった。
お互い理性を失ったように求め合った。
つづく。
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