第四話

 努力友情勝利の王道ストーリー。

 愛と友情の紡ぐ青春譚。

 パンが主人公の絵本もあれば、剣と魔法の世界を舞台にしたライトノベルもある。

 一体、いくつの創作物が、世界中で愛されてきたのだろう。そして、いったいいくつの作者が、それら物語を紡ぎ上げてきたのだろう。

 そういえば、誰かが『人の想像できるものは、必ず実現できる』と言っていた。その理屈で行けば、どこかの世界にはヒーローがいて、あるいは、魔法使いががいて、それらを駆逐して地球を支配せんとする悪の組織がいたりするのかもしれない。


 では。

 では、誰がこんな世界を想像したんだ~~~~~~~~~~~~~!!!


 俺の名前は抹茶飲齟齬大将(まっちゃのみすけろく)。最近まで、平々凡々な高校生として、穏やかな日々を過ごしていた。ほんのつい二日前までは。

 二日前のあの日、友人と行ったカラオケから帰途についた俺は、突然、トラックに撥ねられた。

 意識がぶっ飛んで、気がついたら異世界。

 なんてこった!!いわゆる異世界転生ではないか。やったー!

 読んでいるアンタ方はそう思ったかもしれない。

 だが、この異世界生活が、実はそんなに楽なもんじゃないんだぜ。


 〇


「うわあ!なんだ?!どこだ~!!ここはどこだ?!?」

 あれ、俺はたしか交差点でトラックに撥ねられて!

 体は……痛くない。とすれば、ここは病院なのだろうか。

 徐々に意識がはっきりしてきた……。そして、異変に気が付く。

「あっつ!!!!」

 体が熱い!!

 全身が熱湯に浸っているようだ。

 思わず俺は、目下を見やる。

 やはり、お湯のようだ。

 うねうねと波打つエメラルドグリーンのお湯。湯気を立てて、俺の体を包み込む。その水面には、俺の体が反射していた。

 反射していた……


 茶柱となった、俺の体が。

「え……なんで……。」

 そうつぶやいたとたん、世界が暗くなった。何かの大きな影が、茶柱となった俺を覆ったのだ。

 見上げると、巨大な老人の顔が見つめていた。

「はァ~、転生実験は失敗じゃな」

その老人は、不敵に笑ってそういった。



「え、転生実験!?」

 察しの良い俺は、一言ですべてを理解した。

 このジジイの転生実験で、俺は茶柱として異世界に転生したのだ。

「貴様!俺を茶柱としてこの世界に転生させたのか!」

「ほう、思いのほか察しが良いな茶柱殿。そうじゃ。貴君を転生させたのは、このワシじゃ。」

「な、なんで茶柱なんかに転生させたんだよ!」

「本当なら人間の姿になるはずだったんじゃがな……。まあ、ことわざ曰く、失敗は成功の母とな。茶柱殿よ。この世界に転生したからには、

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