今日で担降りします!! 宣言をしたのにできない私。
棘×棘
第1話 永遠は砂となる……
「私!高見景子は、今日で推しを担降りすることを宣言します!!!」
そう高らかに声を上げた声は、教室中に響き渡った。ここは、名門高校の教室。世間的にも偏差値が高く、まぁ俗に言う所の、頭のいい学校なため校則は緩い。制服を着崩していても、学校内でスマホを弄っていても、お菓子を食べていてもそれに対して注意するような教師は基本的にいない。そんな学校の教室で声高々に景子は声を上げた。その声を聞いた景子の親友である坂崎沙綾は、いきなりの親友の大声にギョッとした顔をしながら話しかけた。
「さっきからスマホ弄って凝視してたけど、急に何? どうしたの?あんた昨日まで、推しが~推しが〜ってニヤニヤしながら語ってたじゃん。なのに、急に何?どういう心境なわけ?」
坂崎沙綾は基本的にクールであり、ズバズバ言葉を言ってしまうタイプのサバサバ系女子ではあるが、根は優しい。そのことをわかっている同級生は彼女のサバサバした言葉を聞くことに慣れているため、ズバズバ言われても特に気にしていない。もちろん景子もである。
「だって、だって………!!!」
「もしかして、景子の推しが結婚したとか??」
揶揄したように沙綾は景子に語りかけた。しかし景子は、沙綾に図星を言い当てられたことが顔に出てしまい「えっ、まじ?なんかごめん」という言葉で会話が途切れた。
「でも、前『推しが結婚しても担降りは絶対ない!!だってこの推しは人生で初めて推した推しだから、永遠に推し続けられる自信がある!!』とか言ってたじゃん。あんた。」
沙綾のこの言葉に返答しようと景子が口を開いた瞬間、教室中に悲鳴のような声が上がり始めた………。
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