第7話 未来への約束

 爆発的なエネルギーの光の中——。


 ソラの手はまだルナの手を握っていた。


 「……ルナ!」


 光の渦の中心で、ルナの瞳がかすかに揺れる。


 「……ソラ……?」


 彼の声が届いた瞬間、彼女の中で暴走していた「エネルギークリスタル」の力が収束し始めた。


 ——ソラが信じてくれた。


  ——私は、破壊のために生まれたんじゃない。


 「ありがとう……」


 その言葉とともに、クリスタルの輝きは穏やかな光となり、ルナの体を優しく包み込んでいった。




 「これが……『調和の力』?」


 ソラは気づいた。


 「エネルギークリスタル」の真の力は、愛と共鳴することで安定し、無限の可能性を生み出すものだった。


 ルナの心が落ち着いたことで、暴走は完全に収まり、彼女の中のエネルギーも安定した形へと変わっていた。


 その様子を見たヴァルドは、愕然とした表情でつぶやく。


 「バカな……エネルギーとは制御すべきもののはずだ……愛の力だと……?」


 だが、その時——


「 空飛ぶ都市が……!」


 各地の空飛ぶ都市から放たれた光が、ルナのクリスタルと共鳴し、新たなエネルギーの流れを生み出していた。




 「これは……!」


 ソラの空飛ぶ車「アストラル」が、新たなエネルギーを取り込んで変化し始めた。


 「エネルギークリスタルと空飛ぶ車の技術が融合している……!」


 この新技術を応用すれば——

 完全クリーンな無限エネルギーの供給が可能に

 空飛ぶ都市同士が繋がり、新たな「天空のネットワーク」が誕生

 世界中の人々がエネルギーの格差なく暮らせる未来へ


 「これで……人類の未来が変わる!」




 ヴァルドの野望は砕かれ、アーク・エネルギー社の支配は終焉を迎えた。


 人々は「エネルギークリスタル」の力を恐れるのではなく、共に生きる道を選んだ。


 そして——ソラとルナは、再び空を目指す。


 「今度は、未来を創る旅に出よう。」


 「うん……ソラと一緒なら、どこまでも行ける。」


 空飛ぶ車「アストラル」は、光の軌跡を描きながら、果てしない青空へと飛び立った——。

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