現代日本人死にゲー世界に転生す
食う寝る遊ぶ
第1話 死にゲー転生
どうやら俺はゲームの世界に転生してしまったらしい。
というのもその日は休日で、日がな1日飯とトイレの時間以外をゲームに費やしていたのだが、突然胸に鋭い痛みが走り 机に伏せってしまう。
日頃の運動不足や不摂生が祟ったか、 と内心悪態をついていると フッと目の前が暗くなり、指の先から徐々に熱が消えていくのを感じる。
眠気まで襲ってきたがその頃には体の感覚は無く、自分のか細い呼吸音が弱々しく聞こえるばかりだった。
そして俺はそのまま意識を闇に落とし、現代人としては短すぎる生に幕を下ろした。
…はずだったんだが、なァ?
耳をくすぐる風や揺れる草木の葉が頬を撫で、側らで眠る者の起床を促す。 陽光が瞼の裏に射し込み男は目を覚ます。
「…ん……う………?」
「そうだ 俺いったいどうなって…。」
俺は自分の身に起きたことを思いだし、慌てて体を起こす。そして自分の着ているものが着慣れている普段着ではなくなっており、代わりに金属鎧を着ていることに気付く。
「なんで俺こんなモン着てんだ?」
「というか、ここどこだよ…俺ン家は?」
矢継ぎ早に疑問が出てくるが兎に角、こんな所にいつまでも居られないと立ち上がる。
近くに水溜まりがあったので丁度良いと自身の姿を確認するとそこには見知った自分の容姿ではなく 赤髪金眼のイケメンフェイスがお出迎えしているではないか。
「誰だこのイケメン…。俺の日本人フェイスどこいった?」
「神様にも会ってないしチート能力とかもらってないけど、これって異世界転生とかそういう感じか?」
ぶっちゃけ転生というよりも憑依っぽいけどと思いつつ、辺りを見回すと草原に立っているようで奥へ行くと、森が広がっているようだ。 草原と森の境界線には特徴的な大岩がある。
「おいおいおいおいおいィィ…」
見覚えがあった。何回もプレイしてればさすがに記憶に残る。
「これはあれか?最近よくあるゲームの世界に転生しちゃいましたぁ~みたいなやつか⁉」
似ているだけだろうと否定しようとする俺の目の前にうす透明のボードが出てくる。所謂メニュー画面だ。驚く自分を他所に、そこには俺に現実を突き付ける様に表示されていた。
現在地:リブイ草原
「勘弁してくれ…。なんでよりによってこのゲームなんだ? 俺に恨みでもあんのかよォ…。」
最悪だ。
どうやら俺は世界観クソなイカレ死にゲーに転生しちまったらしい。
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