国民的美人女優と一緒にタイムスリップして学園生活をやり直す![リベンジスクールライフ]
マリモッコリEX
2人の始まり
俺はこの春から大学に通っている蒼井俊あおいしゅん18歳だ。
俺は元々旧帝大を目指していたが受験に失敗し私立の大学に通っている。
入学して2ヶ月、第1志望の大学では無いということもあり、俺は大学生活が全く楽しくない。
毎日が苦痛でたまらない。
なんでこうなっちまったんだよ。
大学の講義が終わり、バイト先では怒られ、家へ帰ろうとしていた時、俺の頭にある考えがよぎった。
「もう俺死んじゃおっかな 」
正直生きていることが苦痛でもう立ち直れそうになかった。
こんなんならもう死んだ方がマシだ。
俺が死んでも悲しむ人なんていないよな。
いつから狂ったんだか、俺の人生は。
〇殺を決意した俺は近くの高いビルの屋上へ向かった。
エレベーターは住民しか使えないらしく、俺は仕方なく非常階段をあがることにした。
「このビル18階建てかよ、高いな 」
俺は長い階段を1人考え事をながらゆっくりと上がって行った。
俺はこの人生で何ができたんだろう。
受験は失敗して、親には失望され、最後には〇殺なんてな。
足がパンパンになりながらやっとのことで階段を登り終え目の前の扉を開けた。
すると目の前には制服姿の女子高生がこちらに背中をむけて、今にも飛び降りようとしていた。
俺は自然と体が動いていた。
その生徒の白く細い腕を掴みこちらに手繰り寄せる。
「何やってんだよ! 」
「話聞くから早まるなって! 」
俺が少し強い口調で喋るとその女子高生は目を丸くしていた。
俺は目が合うとその美貌に釘付けにされた。
ツヤツヤの黒髪ボブ、ぱっちりとした目、整った鼻筋、重力を感じさせないほどクリックリのまつ毛。
俺はその子の全てに見とれていた。
美しすぎる。
「あの…… 」
「あの…! 」
俺はその子に喋りかけられていることに気づかなかった。
「!! 」
「あぁ、ごめんごめん 」
「お兄さんはなんでこんなところにいるんですか? 」
その女の子は俺をきょとんと見つめていた。
そういえばさっき、話聞いてやるとかいったっけな。
なんでって言われても、俺も死にに来たなんて言えない。
「なんだか落ち着かなくて、街を眺めに来たんだ 」
「君こそ、どうしてあんな危ないところに立ってたの? 」
その女の子は俺の質問を聞くと少し下を向いて、雰囲気が変わったのが分かった。
「私、女優のお仕事してて、学校にも全然行けないから居場所がないんです 」
「それで今日久しぶりに学校に行ったら、1番仲が良かった友達にも無視されて… 」
彼女の目からは涙が溢れていた。
俺はその時にはポケットのハンカチを差し出していた。
この子だけ辛いこと話してくれて、俺は自分のこと隠すなんて絶対にダメだろ。
俺はなぜ今日ここに来たのか本当の理由を話した。
「お兄さんにもそんなことが…… 」
「でもお兄さんは浪人はされてないんですよね? 」
「あ、俺の名前は蒼井俊、お兄さんじゃなくて'しゅん'って呼んでもらっていいよ 」
「君の名前はなんて言うの? 」
そういえば名前を聞いていなかったことを思い出し会話が途切れるのは分かっていたが、質問を切り出した。
「私は園宮茜です、あかねって呼んでください 」
「あかねちゃんね、よろしく! 」
「俺は浪人はしてないけどなんで? 」
「あ、その、私仕事の関係で1年留年してるんです 」
「なのでしゅんさんと同い年ってことになります 」
そういうことだったのか。
て、園宮茜ってどっかで聞いたことあるな。
いやいや、今はそんなこと考えてる場合じゃない。
今日死ななくたって状況は変わらない。
となれば、
「茜、俺たち学校やめないか? 」
俺がその言葉を口にすると茜は小さな声を上げてびっくりしていた。
それもそうか、こんな提案を受ける人なんて居るはずが…
「うん! 」
え?
「私、俊くんに話聞いて貰えなかったら死んでたんで、学校辞めた方がましです! 」
ほんとにいいのだろうか。
俺から言っておきながら、少し悩んでいた。
俺は大学生だからまだ辞めても良いが、茜は高校生だ。
この判断は間違っていないのだろうか。
でも、辛くて命を絶ったらそれで終わりだ。
最終的に茜の決めたことだ、尊重しよう。
「よし!」
「じゃ、決まりだな!」
「お互いこれからも頑張って生きていこうぜ!」
「もう今日は遅いし帰ろっか 」
俺は来た時と同じ扉を茜と一緒にくぐった。
いや、くぐったつもりでいた。
だが俺たちはその扉をくぐる瞬間に気を失ったらしい。
目が覚めたら俺は扉の前で倒れていた。
しかもなんか暑いと思っていたら、俺は高校の制服を身にまとっていたのだ。
周りを見ると、隣で茜が寝ていることに気付いた。
まてよ、茜ってまさか…
そうだ、園宮茜は今最も人気がある国民的女優だ。
昨日の夜は暗くて顔もはっきり見れなかった上に、最近テレビを見ないから全然気づかなかった。
俺があまりの衝撃に腰を抜かしていると茜が目を覚ました。
「茜!大丈夫か? 」
と言っても腰を抜かしている俺が言うことでもない。
「う…うん 」
「なんで私ここで寝てたの?」
「俺も今起きたところだ。」
俺はとにかくポケットのスマホを取り出した。
え?これは俺が去年機種変したはずの機種だ。
なんでここに?
俺は違和感を感じながらも日付けを見た。
画面には2021年5月11日と書かれていた。
「ちょうど3年前!? 」
画面をのぞきこんでいた茜が驚いた口調で言った。
この状況で俺は察した。
俺たちはタイムスリップしたんだ。
高校入学当初の3年前に。
今学校辞めるって決めたばっかなのに、また学校に通えって言うのか?
いや待てよ。
俺は隣できょとんとしている茜を見た。
やっぱりだ。
茜と俺は同じ高校の制服を着ている。
つまり、2人で学園生活を送れるということだ。
2人で支え合えばまた俺たちの人生やり直せるんじゃないか?
やり直してやるよ、俺らの狂った人生をな!
~~~~~~~~~~~~~~~
続く
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