第5話
「奈由何にする~?私ラーメンがいいなぁ~っ」
「ラーメンいいね!私、和風ハンバーグランチにしようかなぁー」
財布だけを持って食券を購入し、職員の人に手渡しする。
麗香とすぐに出来上がったばかりのお昼ご飯をトレーに乗せて、先程の麗香の友人達が居るテーブルへと戻った。
「あ、ねぇ麗香~。言ってた来週の飲み会、勇の家でやろーって決まったんだけど、いい?」
桜ちゃんがスマートフォンを片手に、麗香に問いかける。
「うん。いいけど、勇んちってまじで物が多すぎて、足の踏み場無いくらいに汚いから、うちら行く前に片付けてよねー」
「はは、わかってるって!やる気になったらな?」
「えぇっ、あんた絶対やる気ないでしょ!それ~!」
目の前で繰り広げられる会話の内容から、本当にみんな仲が良いなぁ、と感心して見ていると。
桜ちゃんの視線がこちらに突き刺さり、「あ、良かったら奈由ちゃんも来ない?このメンバーで来週の木曜の夜飲むんだけどさ」と微笑みながら問いかけてきた。
「え、私もいいの?」
「うん。全然いいよ。奈由も気分転換に来なよ~。比呂君とデートとかじゃなければ」
「奈由ちゃん彼氏居るの?」
「居るよね、クズ彼氏が」
麗香と桜ちゃんの会話のやり取りに、否定ができないまま苦笑いする。
麗香のストレートな言葉に、皆「クズ彼氏?」と更に不思議そうな顔をしていている。
「えっと、じゃあ!お言葉に甘えて、参加しようかな」
流すように比呂の事は、触れないで笑ってそう答えると、
「えー!今の流れの違和感!気になるけど触れないでおくわ。じゃあ決まりねー!」
と桜ちゃんが有難い事に突っ込まず、飲み会の約束が突発的に行われた。
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