第4話
ちょっと待てよ、俺の予想だけどこのままだったら俺だけが浮いた存在になってしまう。2人は絶対に早乙女に教えたいはずだ。じゃあ俺は誰から教われば良いんだ?3人いるのに俺は1人で勉強するのか?それは寂しいし勉強会の意味がない。このままだったらイチャイチャを見せつけられて補習を受ける事になってしまう。補習を受けるのは良いけどイチャイチャを見せつけられるのは納得いかない。
じゃあもう1人の犠牲者が必要だ。
それを誰にするかだ、せめて俺に勉強を教えれそうな人が良いな。イチャイチャを見せつけられるけど補習を受けないようにしたい。
そんな困った時に俺を助けてくれる都合の良い人がいないもんかねぇ。
「祥太、おはよ」
「委員長!」
俺が悩んでたら委員長があいさつしてくれた時に俺の中に稲妻が走った。この人だよ!
やっぱり俺には委員長しかいないんすよ、早乙女には2人のヒロインがいるけど俺には委員長しかいないんすよ。
「どうしたの?祥太」
「やっぱり俺には委員長しかいないんだなぁ、って」
改めて思い知らしめされたよ、俺には委員長しかいないって。この人の隣の席でどれだけ助けられた事か。授業の分からないところや、宿題も委員長がいたから何とか乗り越えてきたのだ。
「…え、え?どうしたの急に。おかしな物でも食べたの?」
優しい…、好きになっちゃうよ。
「俺に勉強を教えてください!」
手をパンっと合わせて頭も下げる。誠意が伝わればきっといけるはずだ。委員長には悪いけど委員長は困ってる人がいたら見逃さない性格してるからこれが1番効く。悪く言えば委員長の優しさにつけ込む。
「なに?そんな事?もうちょっと普通に言ってよ」
「じゃあOKって事で良い?」
「うん、良いよ。祥太のお願いだもん」
この人俺のこと祥太って呼んでくれるの地味に嬉しいんだよな。俺だけが特別なんだって思っちゃうから。委員長は別に他の男も下の名前で呼んでるからそんな事は無いんだけど。
「さすが委員長様!あなた様がいてこその私ですから」
「も〜それやめて」
も〜、が可愛い。委員長は本当に幸せになってほしい。俺みたいな悪い奴には騙されないでほしい。
「俺と早乙女とサラサちゃんとハルカちゃんもいるから」
「…あ、そうなんだ」
「流石にねぇ、2人っきりは、ねぇ?」
「あははは」
まぁ委員長のことだからそんな事は思ってないけど一応伝えておいた。2人っきりって俺でも嫌だもん、もう緊張して勉強どころじゃ無くなっちゃうもん。
「祥太って自己肯定感高いのか低いのか分からないよね」
「俺ほど高い人は少ないと思うけどな」
俺っていうよりかは水野祥太は高いと思う。あいつすごいよな、俺もちょっとは見習わないとな。
おばあちゃんも言ってくれてたなぁ。
「ヒロちゃんはすごい子なんだから自信持って」
うぅ…。
絶対にこの勉強会は早乙女への好感度を上げるし、補習も受けないぞ。
俺らは今図書室に来ている。無事に俺を含めて5人が集まった。勉強を始める前に集まってくれた事に感謝を伝えようと思う。
「今日は集まってくれてありがとう。今日集まってくれたのは他でもありません。勉強を教えてもらうためです。みんなさんの力があれば俺と早乙女は補習を受けなくて済むかもしれません。だから今日はよろしくお願いします」
それっぽい事を言えて俺は満足だよ。言い終えると久田ちゃんが一瞬拍手をしようとしたけどすぐに手を引っ込めた。
「うるさいぞ水野!そんなのこんな所でするな!」
「すみません」
図書室だから静かにするのは当たり前だ。でも、やってみたかったんだよ。それにあなたの声も大きかったですよ。あと、どうして俺の事知ってるの?俺有名人すぎない?
「じゃあ分からなかったら教えてください」
俺の小さい声で勉強が始まった。
あ、ちなみに席のファーメンションは長方形の机に早乙女の隣に久田ちゃんで向かいに俺、俺の隣に新色だ。久田ちゃんと俺の間に委員長がいる。
このフォーメンションは俺が組ませてもらった。早乙女への好感度が新色より久田ちゃんの方が低いから隣に配置して、正面には新色と、完璧の布陣が完成した。
これでどっちにも教えてもらえるから好感度も爆上がりだよ。見たくない時は俺は委員長に勉強を教えてもらえるから全然平気だ。
とりあえず補習は勘弁だから勉強に集中しよう。思い出したけど、夏休みもイベントがあるから補習を受けたら俺が参加出来ない。
むっっっっっっっずかし〜〜〜〜!!
何だこれ、高校生ってこんなの解いてんの?何が難しいのか分からないくらい難しい。
一旦伸びをしよう。開始10分でこれは早すぎるかもしれないけど仕方ない事だ。みんなは一生懸命やってて偉いなぁ。途端に自分が恥ずかしくなってきたよ。
え、ちょっと待って。今思ったんだけど俺の隣に新色がいるんですけど。めっちゃ近いんですけど。
これは欲に勝てない。
「ここ分かる?」
分からない問題を隣にいる新色に聞いた。
ちょっと待って。欲には負けたよ、でも、俺が先頭を切ったおかげで人に教えやすくなったっていうメリットもある。このまま全員無言で終わってた可能性だってあったんだから。じゃあ俺のやった事は正しいと言える。
「どこ?」
「ここ」
俺は分からない問題を指さして示す。
…おうぇ!めちゃくちゃ近い!俺の鼻息が当たっちゃうかも!
いやいやいやいやいや全然集中出来ない!これは嬉しいハプニングだ!俺は分からない問題を聞いただけで、別にやましい気持ちがあって近づいた訳じゃないからセーフだよな?
「ねぇ、ちゃんと聞いてる?」
「え?も、もちろん聞いてますよ」
咄嗟に出る敬語って気持ち悪いよね、自分でも自覚してるから。100%の確率で俺の口角は上がってると思う、これは鏡を見なくても言い切れる自信がある。
「で、ここが〜」
今見ました?髪を耳にかけましたよ、これってどんな男でもキュンってするよね?ここで俺は別に、っていう奴とは仲良く出来ないね。
新色が俺の為に一生懸命教えてくれてるよ、じゃあちゃんと聞けよって思うかもしれないけど頭の中に入らないんだよ。今までの記憶が無くなって目の前の新色しか考えられなくなってる。これをときドキファンが見たら発狂してしまうな。
「ん?」
「あ、ちゃんと聞いてるよ」
危ない危ない、話を聞かずに新色ばっかり見てたのがバレるところだった。バレたらもう新色を見れなくなっちゃうよ。
にしてもここは特等席だな、これがSS席ってやつなのか?俺っていつからファンクラブ会員になったんだ?しかし、これは2万円でも安いかもしれない。
ドンッ
俺の脛に痛みが走る。
「イタッ!」
あまりに急だったから頭の処理が追いつかなかった。俺は今脛を攻撃されたのか?どうして?ここ図書室だよね?
「え、あ、え?」
誰が俺の脛を攻撃したのか探す為周りを見渡す。
早乙女と委員長は何が起こったのか分からないような表情だったけど、久田ちゃんだけは冷たい目で俺を見ていた。
「…顔、キモかったから」
バレてた〜勉強に集中してないのバレてた〜。って事はずっと新色を見てたのもバレたのかな?…恥ず。
「ごめんね、ちょっと集中切れてたかも」
「……」
それでも久田ちゃんは俺を睨み続ける。そんなに勉強してないのがムカついたの?
でも、俺が誘っといて勉強に集中してないのはムカつくよな。本当に勉強する気あるの?って思うよな。
「ごめん。もう一回教えて」
「も〜ちゃんと聞いてよ」
「ごめんごめん」
今度はちゃんと問題に集中して聞く事にしよう。補習なんか死んでも受けたくないし、これ以上久田ちゃんに嫌われたくないから。
って思って時もあったよ。
やっぱりこんな近かったら見ちゃうよね、こんなチャンス滅多に無いんだから。もう俺はイベントに参加する機会が少なくなってくるからちゃんと味わえる時に味わっておかないと。
ゲヘヘ〜可愛いなぁ。
ドンッ!
「イッテ!」
同じ所!同じ所攻撃された!
「……」
久田ちゃんがとんでもなく冷たい目で俺を睨みつけてる。またバレたらしい。…俺の馬鹿野郎。
「水野!ちょっと来い!」
「…はい」
司書さんに呼び出された。これは絶対に怒られるやつだよ…。
行く途中で久田ちゃんと目が合ったけどプイッと目を逸らされた。そんなに嫌いなの?
でも、ギリ幸せでした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます