第14話
「翔?どうしたの?」
「あーごめん。」
「考え事?」
「ボーッとしてた。」
「疲れてる?帰る?」
「いや、美紅といたい。」
「無理しないでね。」
このまま日曜日がずっと続けばいいのにと思う。
少し前を歩く彼女の手をとった。
細い指を絡めるように、手を握った。
「翔?」
「はぐれないように。」
本当にどこにも行かないでほしい。
自分の近くに引き寄せた彼女から、彼女自身の匂いがして、少しドキッとした。
この距離で彼女の匂いを感じた男がいたならば、俺は嫉妬に狂ってしまいそうだ。
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