転生令嬢、淑女の嗜みよりも筋肉と剣を極めます 〜チートレベルアップで最強貴族令嬢になった件〜

水無月いい人

令嬢伝説の幕開け

最強の貴族令嬢、華麗に戦場に降り立つ。

戦場は既に地獄と化していた。

火の手が上がり、辺りからは悲鳴が響く。


「くそっ……! もう持たねぇ!」


「援軍は……? くそっ、王都の貴族どもめ……!」


王国の最精鋭部隊が、たった一体の魔獣に蹂躙されている。

その魔獣は──【ドラゴニック・ハイドラ】。

王国最強のSランク冒険者ですら討伐を諦めた怪物。


絶望が広がる中、空気を裂くような澄んだ声が響いた。


「──少々遅くなりましたわね」


兵士たちが振り返る。

そこに立っていたのは、一人の貴族令嬢だった。


まるで舞踏会に向かうかのように、純白のドレスを纏った少女。

華奢な体躯、美しい金色の瞳。


「な、なんでこんなところに公爵令嬢が……!」


「バカな……逃げろ……!」


「逃げろ?もしかしてそれは私に言っていますの?」


次の瞬間、少女の姿が消えた。


──ゴォォォォォン!!


閃光が走る。

鋼の鱗を持つハイドラの首が、一瞬で九つとも刎ねられた。


戦場が静寂に包まれる。


「スキル発動【剣聖の極致】──おかわいそうに。せめて苦しまずに送って差し上げますわ」


白銀の髪をなびかせ、リリアナはため息交じりに剣を構えた。


「──【魔剣・斬界】」


その瞬間、ドラゴニック・ハイドラの巨体が、無音で裂けた。

まるで、そこには何も存在しなかったかのように、血の雨だけが降り注ぐ。


王国最強の精鋭部隊が倒せなかった怪物を、

たった一人の貴族令嬢が、一瞬で葬り去ったのだ。


「…………嘘、だろ……?」


戦場の誰もが、言葉を失っていた。


リリアナは静かに剣を収めると、

燃え盛る戦場を一瞥しながら、微笑んだ。


「さて──紅茶でもいただきたい気分ですわね」


──これはわたくしが、最強令嬢となるまでの物語……ですわ!

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