あの水平線を駆け抜ける
天廻月媛
第1話 そうだ!旅に出よう!
今日の学校の終わりを告げるチャイヌが鳴り響く、皆が帰宅の準備を始めたそんな時だった。「ねぇ、アルト。明日旅に出ない?」と唐突にリンに告げられたときには驚かずにはいられなかった。「えっ何で急に」と聞き返すと「フフン。明日からちょうどしばらく学校休みだし、なんか遠くに行きたくなっちゃって」リンはいつも何か思い付いたらすぐ行動する。大抵は彼女一人で行動するが、俺を誘ってくれることもある。「まあ別にいいけど」俺がそう答えると「よっしゃーそれじゃあ決まりね。明日の午後4時半ぐらいにアルトの家に来るから」「オッケ」
翌日、「アルト、来たよー」見るとリンは黒いロングコートを着て、巨大なバイクの手入れをしてた。「まさかそれに乗ってくの?」「うん」リンが答える。「君ってバイク乗れるんだ!」「フフン!スゴいでしょう!」リンは自慢げに言う。それからバイクに乗ると「それじゃあ行こっか。アルトは後ろ乗って」俺は彼女の後ろに乗る。彼女はバイクを走らせる「しっかり私に掴まってね」彼女はそう言うと一気に加速した。「やっほーいー!やっぱサイコーだよ。頬を髪を撫でる風!この解放感!アルトも分かるでしょ!」「うん!」そのまましばらく走ると大きな河川敷に出た。「ねぇアルト、綺麗だね!夕陽の燃えるような空を水面が写してるよ!その空の所々に金色に染まった夏の雲が浮かんでる。」「うん、たぶん今の君の瞳も同じ限りなく純粋な金色に染まってるんだろうね。」俺が答えると「もうっ」少し照れてるらしかった。「いつもどうりのある日の朝ァー」彼女が君の知らない物語を歌い出した。彼女の歌声はどこまでも透き通るように純粋にして自由で、どこか力強さと誇り高さがある。「このまま夕日に向かって走るよー」彼女が叫ぶ。「オー」俺も答える。
俺たちの旅はまだまだこれからだ。
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