保管
母が、大好きな紫色の、液体になった。母は病気で蝕まれ、治療に脅かされる前の綺麗な身で、生まれ変わりたかったらしい。掌に掬っても、サラサラと流れ出て、地へと落ちる。色々考えたけれど、瓶に詰めて、保管することにした。加工も治療も施されてない、原液の母が、どうしようもなく愛おしいから。
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