第6話ダンジョン星トップランカー

地球へ初めて降り立つ日。

前日ドキドキして眠れず、母に意識飛ばしの技をお願いしてやっと眠れた。

父が眠れるハーブぐらい作ったのに、と言っていたが、それはリラックス効果ではなく、獲物を眠らせるための成分を持つ植物の事だとエマから聞いていて、頼みにくいったらなかった。


ワープで地面に降り立ち、ステーションに向かうと、施設があった。

宇宙船は停めてあり、透明化で見えなくしている。

マナーとの事だ。


「こんにちは。私達は***で***の申請に来ました」


今回はナターシャが対応した。


「畏まりました」


受付はどうやら地球の人らしい。


「申請書にサインをお願いします」


サインは父がして、受理される。

これで出歩けるんだね。

嬉しさと安堵に身をたゆらせていると、受付の人が注意事項を記入した冊子をくれる。

これ、ホログラムでも見た。

地球もエイリアン、又は宇宙人に対応していることにびっくりだ。

ここまで変わると、私の知る地球じゃない可能性もある。


「主にトラブルが起きた時用かな」


「地球の法律を頭に入れたけど異星人に適用される方が特殊」


エマがサラッという。

六法全書を読んだってことだよね。

私は覚えられるけど、覚える気はないからあんまり身になりにくい。


「自営業には必要だった」


母の為だったのか。

可愛いよエマ。

ツンなのに、母の知らないところで見えない努力をする我が妹ぐう聖。


「お、おい、あの赤い髪、まさか」


と、聞こえてきた声に耳を済ませる。


「ダンジョン星トップランカーのジュスティヌじゃないか!?」


ダンジョン星。

ファンタジーなどでお馴染みのダンジョンが豊富にある星。

稼ぐための施設で、商売が出来る星としても有名な場所。

素材が直接売れるので母のお気に入り。

ばりばり御用達の常連様。


「やべえ。ジュスティヌとか。握手してもらえるかな」


「ん?握手くらいしてやるぞ」


母は都合の良い耳をしているので、握手を望む人の所へ行き、手を差し出す。

その人は「ふえっ!」と、驚きに跳ねた。

都合のよい耳と言い切るのは料理しなくて良いというネガイを聞き届けない、耳に対しての評価だ。


「サービス精神凄いよね、いつも」


ファンサというものを、忘れない。


「マーマはポジティブキング」


滞在許可書を受け取り、母を置いていくが如くエマは外へ向かう。


「ま、待ってくれ」


わたわたと追いかけてくるジュスティヌは、身体能力お化けなので、一瞬で来る。


「ははは。皆で外に出る時、同時に出よう。はじめの一歩」


「やろうか」


父も朗らかに笑う。

母を置いていく時、父は母の為に少し遅く進んでいたのを目撃したのは、にんまりポイント。


「よおし、はじめの」


母が掛け声。

最後は皆で。


「「一歩!!」」

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