第31話 女神さまと帰りの電車で――
それから、どれくらいの時間が経過したんだろう?
あれ以来、私はあの場にいても良かったのかと疑問に思った。
それと同時に、私の心の中では松村先輩に対する
話の花を大きく花を咲かせたあまり、時間はいつの間にか日付を跨いでいた。松村先輩が私を含めて泊まってもいいと促したけど、これ以上は迷惑だからと断り、今は最終電車の中だ。
車内は私と
「
「いや。もう帰るんだと思って……」
私が落ち込んでいるザマを見て、聖先輩は心配そうに私に声掛けをしてきた。
私は、聖先輩に色々と悟られないように、そんな気持ちを隠して、帰宅するのを嫌がる素振りを見せる。ま、これもこれで正直な理由でもあるけどね。
何せあの大雨の中、傘もささずにスマホを持って行かずに、しかもパジャマ姿のまま
それもそうだけど、こんな私も松村先輩みたく、あんなに仲良くお話出来ればいいんだけどなぁ~。やっぱり先輩と後輩という序列みたいなのが間に隔てているからかもしれない。
「えっ⁉」
色々と我慢ができなくなった私は、許可を得ずに聖先輩を力強く
「聖先輩!松村先輩があんなことをして、正直負けたと感じました!何だか二人が仲睦まじい姿を見たら、もう私は聖先輩がいなくなっちゃうような気がして、どうすればいいのか……」
誰もいない車内だというのに、私は恥ずかしながら号泣し、聖先輩が私から離れちゃう不安をぶつける。
「そうなのね。よっぽどこの一週間我慢していたのね。ツラい思いをさせてゴメンね……」
私ったら、普通に寂しさを言っただけで聖先輩に謝罪させるつもりはなかった。でも、そんな私を見て聖先輩は謝罪するしかなかったのだろう。
そんな私の気持ちを落ち着かせるよう、聖先輩は更に言葉を続ける。
「でも大丈夫よ。本人はどうか分からないけど、私はアズサとは親友の関係だから。それに、私との同居だってまだまだ続くから、離ればなれにはしない。だから、安心して!……」
聖先輩はツラい気持ちを抑えようと、私を優しく抱擁する。
それと同時に、先輩の胸はこんなにも大きくて柔らかくて優しい気持ちになれるんだという大変不純な気持ちが芽生えてしまった。
だけど、そのおかげで気持ちが少し和らいだような気がした。
聖先輩は誰のものではないということに安心を覚えながら、私たちは自宅の最寄り駅に到着するまで抱擁を続けた。
だけど、そんな幸せは長く続かない。
自宅に到着したら、両親の雷が落ちるから……。
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