第29話 魔法銃カウンター先行入力とかなしでしょそんなの。いくら異世界だからってさぁ


  「おーい、そこの異世界転生者」

 「割り箸が無料だと思ってるんだな」

 「だっせー」


 後ろから、同年代であろう少年が笑ってきた。


 会計を終え、コンビニを出る。


 少しだけ歩き、人通りの少ない場所で止まる。


 さっと、抜いた花に醤油をかけて食う。


 〈調味料使いレベルが2になりました〉


 〈花食いレベルが3になりました〉


 よし、これでほんの少しは持つな。


 「っへい君」

 「割り箸が無料だと思ってたぐらいで」

 「だっせーとまで言ってくれたな」


 「ああ言ったぜ」

 「だっせーってな」


 「取り消すなら今だぜ君」


 「取り消さねぇって」

 「だってお前ほんっと、だっせーもん」

 「だっせーだっせー」

 「やーい、だっせー」


 「花に醤油かけて食ってるし」

 「恥ずかしいやつー」

 「花に醤油なんてかけて食わないぞ」

 「ださいやつしか」

 

 ここが異世界だろうと、前世の記憶がなかろうと、そんなことはどうでもよかった。

 記憶になくても、声が出る。


  〈GAME〉


  〈GAME〉


  俺と、俺のことをだっせーと馬鹿にしてくる少年は、互いにコントローラーを握っていた。


 ディスプレイが現れる。


 〈GAME START〉


 空腹値の都合、急がなければいけない。


  開幕、左スティックをに2回前方に押し、そのまま倒したまま相手に近づき、LSを↓に入れてすぐに↗て、ジャンプ大ダッシュにし、Dボタンを押し、ジャンプ大キックを出す。


 ガードされるが、キャンセルをきかせ、↓↘→+Bを入力する。


 〈必殺空き缶飛ばし蹴り〉


 「しょぼくてだっせー必殺技」


 少年は自キャラの顔に向けて飛んでくる空き缶を上段ガードする。


 はい、もうこのままずっと俺のターン。


 ↓↙←+Dで上段ガードさせた少年の足に下段蹴りを放つ。


 〈限定コンビネーション技:空き缶で上段ガードさせてからの下段蹴り〉


  下段蹴りが少年の足にガードなしで通る。


 ↓↘→↓↘→+A+B+C+Dを入力する。


 まだ、下段蹴りからのキャンセルコマンドが通る。


 〈超必殺技魔法銃氷結1ショット〉


 自キャラが超必殺技名を言い、相棒の魔法銃の引き金を引いた。


 氷結弾が発射された。


 〈先行入力技:魔法銃カウンターが発動しました〉


 !!魔法銃カウンター!?


 俺の相棒が魔法銃だって事がわかったうえのスキルセットして、先行入力?


 そんな馬鹿な話が。


〈必殺魔法銃岩盾1ショット〉


 !!!少年の自キャラが技名を言い、魔法銃を撃つ。


 岩の盾が、氷結1ショットを潰して前進する。


 俺の自キャラが、土の盾でダメージをくらう。


 しかし、超必殺技ではない。

 あくまで必殺技。


 俺のHPゲージはまだ4割はある。


 

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