第23話 女装した男なんて普通だしこれが異世界での普通なんだろう


  〈安物のあたたかいおしるこを飲んで、無詠唱攻撃魔法+1を得ました〉


 今度は無詠唱攻撃魔法+1か。


 「俺、どんどん強くなってく」

 

 「へぇ」


 「今ならこのおしるこ飲んだら」

 「無詠唱攻撃魔法+1上がったんだぞ」

 「俺、異世界転生者なんだろ」

 「これ俺だけのチートスキルなんじゃね」

 

 「そんなの、誰だって初めはそうなる」


 「あ、これ誰でもなるの?」


 「ああ、なる」


 「だんだん効果は薄くなってくるがな」


 「異世界転生してきたばかりだから」

 「何くってもステータス上がってくだろ、そりゃ」


 「そんなものか」


 食ってステータスアップするの、俺だけのチートスキルじゃないのかよ。


 ここでのんびり話してるわけにもいかない。

 空腹地はどんどん減っていく。

   

 「お、おしるこの空き缶が3つもある」


 セーラー服着たおじさんが、俺達の飲み終わったおしるこを見て声をかけてきた。

 すね毛はちゃんとそられている。


 なるほど、これがこの異世界での普通のおじさんか。

 周囲を見渡しても、女装した男なんて普通だし。

 これが、異世界なんだろう。


 恐ろしいところだぜ、異世界ってのはよ。


 「缶蹴りしようぜ!」


 !これが、異世界!


 「いいよ」


 「俺は缶蹴り好きおじさんだから」


 「俺が人間役で君達3人鬼役の勝負でいいだろう」


 「まずさ、俺缶蹴り知らないんだよ」


 「なんだって!」

 「君、缶蹴りを知らないのか」

 「可哀想に」


 「ああ、可哀想だろ」

 「教えてくれ」


 「時間や範囲はその時によるが」

 「今回は鬼役が2分目をつむって数える」

 「その間に人間役は隠れる」

 「2分経過までに、空き缶の周囲50M以上は離れていなければならない」

 「隠れられる範囲は、空き缶から周囲700m」

 「屋内は進入禁止」

 「鬼役は人間役を見つけて名前を呼んで缶を踏めば、確保」

 「人間役を全員確保できれば鬼役の勝利」

 「人間役は確保されるまでに誰か一人でも缶を蹴れば人間役の勝利」

 「時間制限は数を数え終わってから10分」

 「タイムアップでも、人間役の勝利」


 タイムアップでも人間役の勝利か。

それなら、こそこそ隠れて逃げてた方が人間役は有利なんじゃないか。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る