第10話 遭難した森で・・・
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「お腹すいた・・・。」
アレンはお腹が空いたため周囲を探索し食べられる物を探すことにした。
帰って来られるように道に跡を残しながら進むとあたりに霧が立ち込めてきた。
「霧のせいで先が見にくいな・・・帰ってくる時に迷わなきゃいいけど・・・。」
そのまま小1時間ほど進み続けると集落に出た。
「お腹も空いたし疲れたしここの集落の人に止めてもらおうかな・・・。」
コンコン
アレンは少し他の家より大きい家の扉をノックした。
「すみません、森の中で迷ってしまったので一晩ここで泊めてもらえないでしょうか。」
そうアレンは言ったがいつまで経っても返事がないため不思議に思い玄関の比較的近くあった窓から中を覗くと泡を吹いて倒れている人がいた。
「!」
アレンは家の扉を開け・・・開かなかったので蹴破り中に入った。
「大丈夫ですか!息は・・・してない、脈も・・・なし。」
アレンは倒れている男性に駆け寄り息をしているか・・・は、泡を吹いて倒れているのがからしているはずもなく脈があるかも確認したがなかった。
要するに死亡。
(誰か人を呼ばなくちゃ!)
「誰かいませんか!」
その後、アレンは他の家の中も同様に泡を吹いて倒れている人がいた。
「何が起こってるんだ。」
アレンはたくさんの人の死を見たからか少し頭が痛いような気がしたが今はそれどこれではないと判断した。
結論として、生存者はいなかった。
だが、霧の中から物影が一つ、出てきたのは平均的な人間が太り背が低くなり刃物のように鋭く手のひらの3倍の長さがある鉤爪を持った禍々しい生物だった。
皮膚の表面がぼこぼこと泡立っていて跳ねた液が当たった先は全て等しく死んでいた。
木は灰色になり凹んでゆき最後には塵となった
草は急速に水がなくなって干からびた植物のように茶色くなり折れた
地面は茶色から紫へ、二度と生命が芽生えぬ土地となった
(なんなんだ、こいつは・・・今までに聞いた魔獣の中でこんな姿をしたものはいなかった、新種の魔獣か?)
(早く帰って報告しなきゃ・・・)
「お前はなんなんだ?」
「ニクイ、ニクイ、命アル者ガニクイ!コロスコロスコロサレタニクイ!」
いくら話しかけても帰ってくるのは同じような答えばかり。
「どうやら、会話は諦めた方が良さそうだな。」
アレンは表では笑顔を作りつつも内心はかなり焦っていた。
初めての戦闘となるかもしれない上に自分の知らないイレギュラーな魔獣。
剣を構え魔獣に背を向けないようにしつつもゆっくりと後ろに下がってゆく。
(なんだ、こいつ間合いを全く気にしていない・・・)
異形の怪物は間合いを気にすることなく進み続けてくる。
(こいつはそこまで足が速いわけじゃなさそうだな・・・走って逃げるか)
ダッ
アレンは体を翻し怪物から逃げるように走り出した。
3分ほど走り続けた末に霧から抜け出した。
後ろを振り返ると怪物の姿は見えなかった。
(よかった、読み通りあいつの足はそこまで早くないようだな)
怪物が追ってこなかったことを確認し安堵する。
「もう少し離れよう。」
そして移動を開始しようとしたその時
「うっ!」
急に寒気に悪寒、吐き気などが襲いかかってきた
(何が・・・もしかしてあの霧にも毒が・・・あの集落が壊滅したのもあいつのせいで・・・)
動けなくなるほどではなかったものの本来ならいますぐ解毒してもらいたい。
(この状態だと逃げ切れるかな・・・多分無理だろうな、ここの茂みの中に隠れて休むか。)
〜10分後〜
ボコボコグチャ ベチャ
「ドコダードコダーコロシテヤル、ノロッテヤル、タタッテヤル」
自分のすぐ近くを怪物が通り過ぎた音がした
(ほ、よかった・・・なんとかやり過ごせたようだ・・・。)
ガサッ
安堵からおこった気の緩み。
体がわずかに動いたことで起こった茂みの葉と葉が擦れる音。
「ソコカッ!」
(バレたか!)
茂みから身を翻し立ち上がるとさっきまでいた場所には紫色の毒々しいドロドロとした液体がかかっており、植物が茶色くなり枯れていた。
(この状態であの怪物と闘い勝てるのか・・・・・いや、やるしかないか!)
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読んでくれて、応援してくれてありがとうございます!
あ、ついでなんですけどアレンがいるのはアラスという都市です。
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