我ら7人揃ってレインボー7!!

【登場人物紹介】


( ^ω^)【筋肉その1】:少ししたら雨が降るのが、なんとなく分かる。



  ('A`)【筋肉その2】:テレビの電源が付いているのが、なんとなく分かる。



(゜、゜*)【魔女】:他人の嘘が、なんとなく分かる。



( ・∀・)【勇者】:「あ、この人自分のことあんまり好きじゃないな」が、なんとなく分かる。



───────────────────────




(゜、゜*)「レインボー7……天下七将であり、このバベリング・タワーのオーナー……」



( ^ω^)「そんなお偉い様が、一体なんの用だ?」



  ('A`)「まさか、気が変わって勇者を倒しに来た、なんて訳じゃねぇよな?」



   「まさか!そんな気は毛頭ないさ!」( <_ )



「今の勇者サマはお客様だからね、ははは」( <_ )



 突如として現れたレインボー7の一人、赤ヘルメットの男。彼の陽気な声色には、たしかに敵意の棘は含まれていない。彼はドライに笑うと勇者の側に仁王立つ浅黒い筋肉へ、ピンと指を差し向けた。



     「用事は筋骨隆々の君らにある」( <_ )



( ^ω^)「俺等?」



     「ぜひ話したいことがあってな」( <_ )



  「この塔の"最上階"に来てもらいたい」( <_ )



  ('A`)「……すまないが、今は勇者の修行で忙しくてな。ここで用事を聞くんじゃダメか?」



                「ああ」( <_ )



( ^ω^)「断ったら?」



 筋肉の否定的な応答に赤ヘルメットは困ったように肩をすくめる。



 「レインボー7からの指示がある場合、

  利用客は速やかにその指示に従うこと」( <_ )



 「利用規約にそう書いてあるはずだが?」( <_ )




( ^ω^)「利用規約なんざ読んでる訳ねぇだろ」



  ( 'A`)「そもそも存在すら知らねンだわ」



(゜、゜ )「初めての客には手足ふん縛ってでも説明しなさいよ」



       「あ、はい。すいません!」( <_ ;)



(;・∀・)「いや、まぁ確認しなかったこっちにも落ち度はある訳ですし……」



( ^ω^)「次からは気をつけてな」



(・∀・;)「上から目線は止めようよ。お店の人困ってるし」



  ('A`)「なんで勇者は敵の肩を持つんだ」



(゜、゜*)「前職が接客業なのよ彼」



    「コホン……まぁ、そういう訳だ」( <_ ;)



  「知らなかったとしても、契約は契約」( <_ )



          「履行してもらおう」( <_ )



( ^ω^)「まぁ、そこまで言われちゃ断るつもりもないが」



( ^ω^)「あー……こりゃあ"もしも"の話だが……契約を破ったら?」



        「勇者には死んでもらう」( <_ )



   「その時点からお客様で無いからね」( <_ )



 契約書を読み上げるように淡々と答える赤ヘルメット。その声には未だ棘は含まれていなかったが、筋肉たちは勇者を守るように男の前に立ちはだかった。



( ^ω^)「勇者を殺させるわけねぇだろ」



  ('A`)「俺等を差し置いて、大将首を取れるつもりか?」



         「私だけでは無理だn」( <_──彼が言葉尻を発音するその刹那。誰かが勇者の首を狙った。筋肉らはその"敵達"から勇者を守るため、素早く地面を蹴った。拳と剣との衝突が数回、音を置き去った。



(^ω^;)「ッ……チぃッ!!」



 (;'A`)「2人、いや……3人か?」



 矛は盾を削り、盾は矛を毀したが、矛は折れず、盾は砕けず。いや、元々矛に盾を砕くつもりは無かったのだろうか。敵意や殺意の無い攻撃に戸惑った筋肉が、結局有効打を打つことは出来ないまま、"敵達"は姿を消した──勇者と魔女では、目で見、耳で聞き、肌で感じることもできない程の、ほんの少しの時間で、これらは過去になった。





( ・∀・)「……」



 気づくと、勇者の前には切り傷と打撲痕をこさえた筋肉が、息を荒らげていた。



(;・∀・)「……ッ!!」

(゜、゜;)「な、なにが起きたのッ!?」



 困惑する2人には目もくれず、赤ヘルメットは筋肉に向けて拍手を送る。



   「さすが武曲ブゴクを倒しただけはある」( <_ )



  「素晴らしい反応速度。実力は確かか」( <_ )



 (;'A`)「はぁはぁ……褒め言葉として頂いとくぜ」



(;^ω^)「ぜぇぜぇ……だが、この程度・・・・じゃあ、武曲ブゴクに勝った俺達に敵わないぜ?」



 急な運動で膨れた脚を擦りながらも、筋肉は余裕な態度を崩さずに赤ヘルメットを煽る。一瞬、男の肩が動いた。



「あー、まぁ気づかないだろうから教えておく。

 察しの通り今の攻撃は3人の連携技だが……」( <_ )



「この階にはレインボー7全員が集結している」( <_ )



(;^ω^)(;'A`)「な、なに!!」



    「仲間が便利な能力を持っているんだ」( <_ )



 (;'A`)「幻覚か?」



  男は早口で荒く答える。



「さぁ?答えは言わないから惑っているといい」( <_ )



   「……たしかに我々レインボー7は、

      個々の実力こそ天下七将でも下位」( <_ )



 「しかし!7人みんなの力を合わせれば!!」( <_ )



    「その力は武曲ブゴクを優に超えるッ!!」( <_ #)



   「決してナメてかからないことだな!!」( <_ #)



(゜、゜*)「……誇れることなの?」



                  「……」( <_ )



                  「……」( <_ ;)



(;^ω^)「武曲ブゴクは、文字通りの"一騎当千"。並の強者が雁首を揃えようと、勝てる相手じゃあない」



(;・∀・)「すみません。仲間が余計なことを言っちゃって……」



 この場で事を荒立たせぬようにと平謝りする勇者。彼は少し成長した肌感覚で悟ったのだ。"今戦えば死人がでるかもしれない"と。



( ・∀・)「どうぞ、そこの2人を連れてってください」



(^ω^;)「勇者!?」



  ('A`;)「しかしよ。こりゃどう見たって脅迫、罠だぜ!?」



( ・∀・)「僕がこのタワーの客である限り、レインボー7は手を出さないさ」



 うろたえる筋肉に勇者は冷静に答える。その声には自信が満ちていた。



( ・∀・)「それも契約でしょう?」



   「ああ、そうだ。理解が早くて助かるよ」( <_ )



 そう。冒険者ギルドで聞いた通り、レインボー7はお客様第一主義。勇者がバベリング・タワーの優良顧客であり続ければ、レインボー7は相応の態度を崩すことはない。契約の上で成り立つ、店員と客の仮初めの信頼関係だ。



 そして、これは筋肉達にとっても同じこと。大人しくレインボー7に従っていれば、その間は敵対せずにすむのだ。そして、彼らは塔を登る前に決めていた。今回の目的はあくまで勇者のレベル上げであり、レインボー7を倒すことではない。



 故に、ここで取る行動は最初から決まっていた。



( ・∀・)「だからさ、君達は先に最上階に行っててよ」



( ・∀・)「僕もすぐ、登りつめてみせるから」




 ( 'A`)「……あぁ、そうだな。すまない」



( ^ω^)「アンタも、無駄に煽って申し訳なかった」



        「分かってくれればいいんだ」( <_ )



 勇者の言葉に興奮と筋肉が萎んだ二人は、謝辞と共に赤ヘルメットに歩み寄る。



( ^ω^)「そういや、俺達はどうやってここから最上階に行くんだ?」



( ^ω^)「頑張って階段登るの?」



「んな訳ないだろ。シャトルエレベーターだよ」( <_ ;)



  ('A`)「あぁ、上には商業モールとかあるんだっけ?そりゃエレベーターくらいあるか」



 バベリング・タワーのシャトルエレベーターは時速約30キロで異世界最新鋭ッ!1階と高層のショッピング・フロアを30機のエレベーターが結んでいる。ただし下層のダンジョン・フロアと最上階のある超高層フロアを接続しているのはレインボー7専用の1機のみ。



 勇者と離れた3人がそのエレベーターに乗り込んだその時、背後から突然と甲高い声。



(*・v・)「あ、すみませーん。乗りまーす!」



(^ω^ )「あれ、受付のお姉さんじゃないすか。なんでこんな所に?」



(*・v・)「私もレインボー7の一人なの」



(^ω^ )「なるほど。じゃあ後ろの5人も?」



(*・v・)「うん」



 よく見なくとも彼女たち全員が別色のヒーロースーツを着用している。どう考えてもレインボー7である。受付のお姉さんは紫色。



 素っ気なく頷いた彼女は、エレベーターに乗り込むと素早く壁際を奪取。残りの5人も次々と壁に背を向け、真ん中で突っ立っている筋肉を取り囲んだ。



(^ω^ )「自然な流れで四面楚歌になっちまった」



 筋肉のつぶやきとともに扉が閉まる。窓もない、壁に貼り付けられた緑色のマットだけが色の息苦しい密室が、少し遅れて動き始める。



 浮遊感に身体が慣れ始めた頃、なんとはなしに赤ヘルメットが口を開いた。



   「全員揃ったし自己紹介でもしようか?」( <_ )



 (;'A`)「最上階に着いてからでいいだろ……9人も乗ってるからエレベーター狭ぇし」



     「でも上に着くまで15分かかるぞ」( <_ )



 (;'A`)「はぁ!?時間かかり過ぎだろ。カラオケが入居してる雑居ビルかよ」



    「いや600m以上あるんだぞ……当然だろ」( <_ ;)



( ^ω^)「まぁ、そんな時間がかかるんなら……距離感が微妙な人達と15分も密室に居るのも結構つらいし、いいんじゃないか自己紹介ここでしてもらっても」



 ( 'A`)「まぁ、そうだな」



(´<_` )「よし。毎週末、屋上でやってるヒーローショーでも、子ども達に結構ウケてるんだよ、俺達の自己紹介名乗り!」



 ( 'A`)「あ?」



( ^ω^)「ヒーローショー?」





(´<_` )「全隊員、集合ッ!!」




(´<_` )「"輝く太陽"! サンシャイン・レッド!」




( ゜∀゜)「"はじけるフレッシュ"! 朝採れオレンジ!」




( ´_ゝ`)「"きらめく日光"! シャイニング・イエロー!」




w´‐_‐v「"全てを溶かす酸の雨"! グリーン・シャワー!」




(・ω・´)「"天を包む蒼茫たる広い青空"! スカイ・ブルー!」




(゜-゜川 「"笑顔に手を振る三叉路 放射冷却の家路"

      ブルー・インディゴ!」




(・v・*)「"惑いの霧"! もやもや・ヴァイオレット!」






(´<_` )「我ら、7人揃ってッ!」




(・v・*)「せーのっ」




(゜∀)´ゝ)_‐v「レインボー7!」(ω・(-゜川<_`(v・*)





( ^ω^)「ふざけすぎだろ」



  ('A`)「狭いんだから騒ぐな」

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