ウルズ族の末裔の手記

@yka9sumi4

第1話 ウルズ族

古来、帝国では偉大なるオーディンの力を受け継いだウルズ族の末裔達が平穏に暮らすことすら許さなかった。

彼らの持つ力を危険視していたからだ。

彼らは、人々に人智を超える能力を与えるだけでなく、配下として従わせる能力を持ってた。

能力は個々によって異なる。

ウルズ族はルーン文字を解読し、使いこなす。

災害級と定められたウルズ族は生まれた瞬間から禁固刑。他は奴隷。


ある日、災害級が産み落とされた。

私はすぐさま処刑にするべきと声を挙げたが、所詮は生まれは没落貴族。日の巫女ですら聞く耳を持たなかった。災害級は危険だということは自分が誰よりも分かっていた。

クリスタルと名付けられ、すぐさま地下に投獄された。


クリスタルが6歳になる頃、彼女は牢獄にいなかった。他の牢獄には、血まみれで死んだ囚人のみが残されているが、人の原型を留めていなかった。そして、やっとの思いで捕らえた凶悪犯がいなかった。

彼女いや、背後にいる誰かが人選したのだ。

殺し合いをさせ、生き残ったのを選抜した。


背後にいる部下が険しい顔をしている。


「今すぐ、巫女と王に報告してくる。お前達は後処理を頼んだ。」


王宮にて、地下牢獄の惨状を説明すると、王は自国の王とは思いたくないぐらい不甲斐なく顔を真っ青にさせ慌てふためいた。

一方で巫女は静かに私を見据えお告げを告げた。

「貴方にも、私にも試練が訪れます。クリスタルはいずれ自我を取り戻し、父親を殺しに戻ってくるでしょう。」


「御意」

片膝をつき、立ち上がってから敬礼をした。


すっと私はその場を立ち去った。


これから起こるのは帝国を守るための闘いだ。

巫女の予言どおり私は犯した罪を償う日が来るだろう。


これは、自分の犯した罪を償うための手記なのだから。






























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