鼓動

春鹿キウイ

第1話 衝撃

「おめでとう!!!!!!!」

 その言葉を聞くまで実感が湧かなかった。

 そう俺、望月琥珀は第一志望の党狂大学へ合格したのだ。


 男友達が我が事のように歓喜する。

 そう、俺は第一志望大学に受かったのだ。


 しかし、思いの外に俺に感動は無かった。感傷にも浸らなかった。生来クールな性格ではあったが、さすがに第一志望合格という事もあって喜ばずにはいられないと思っていたがそうではなかったようだ。

 もしかすると、この後に起こる出来事を予感していたのかもしれない。


 俺の進学した党狂大学は日本トップの大学であった。俺は勉強を高校一年の五月から学生生活の全てを費やし、その集大成として合格を掴み取ったのだと思っている。

 これといって夢や目標がない俺には勉強に打ち込む事しか出来なかったのかもしれない。


 入学式の日

 新入生首席と思われる男が壇上に上がった。

 そしてとある衝撃が俺を襲った。

 その首席の男の顔があまりにも不細工で俺は笑わずにはいられなかったのだ。猫背に加えて汚れたスーツにむき出しの歯茎、ボサボサの髪型が犬の糞を連想させた。あまりにも特徴的な容姿に笑いが込み上げてきていた。琥珀は目を瞑り、歯を食いしばり笑いを我慢する事に決める

 その時、「ウヒヒヒヒヒッ」と甲高い笑い声が隣から聞こえた。それが、俺と高橋タカシの出会いだった。

 釣られて「グフフッ」って俺も気色の悪い笑い声が漏れた。

 俺は顔から火が出るほど恥ずかしかったが、

 隣の男は周りの視線など気にしてない様子で

 笑い続けていた。

「ウヒヒッ!ウヒヒヒヒヒ!」

 周りの視線が心臓を抉るように痛い。

 ここから先の記憶はない。ただ早く家に帰りたいと思っていた。


 ウチに帰るなり、父親と母親にその話を聞かせると酷く怒られた。

「お前人の容姿を笑うほど優れた容姿はしてないぞ!というか不細工なのはお前もだ。(父親)」

「そうよ!その隣の人も品がないわね!あなたのように(母親)」

 俺はそこまで責められると思っていなかったので、暗い気持ちで自室へ戻った。」

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