霊能力者狐城玲也奇譚~不思議な霊能力者狐城玲也が怪奇現象に挑む~

夢月みつき

第1話「霊能力者狐城玲也」

 ◆登場人物紹介◇

 

 狐城玲也こじょうれいや

 挿絵(AIイラスト)

 https://kakuyomu.jp/users/ca8000k/news/16818093094329911385


 立花杏たちばなあん

 挿絵(AIイラスト)

 https://kakuyomu.jp/users/ca8000k/news/16818093094330094483


 ♠♤∴─────────────────────────∴♠♤




 貴方は“狐の窓”と言う言葉をご存じだろうか?

 それは、昔から伝わるまじないのようなもの。

 でも、決して素人が面白半分でおこなってはいけない……



 ここはとある霊能力者の事務所。

 アンティーク調のテーブルや椅子、テーブルには台座に乗せられた大きな水晶玉が窓から差し込む日差しを受けてキラキラと光を反射している。

 二十七歳の霊能力者の男性で名は、狐城こじょう玲也れいやと言う。


 黒髪で、黒縁の眼鏡を掛けた穏やかな紫色の切れ長の涼やかな目元にネクタイにスーツを着て、紳士的で整った容姿をしており、狐城に好意を寄せている近所の女子高生の立花たちばなあんが、毎日遊びに来る。

 二人は知り合ってから、かれこれ一年くらいだろうか。


「こんにちは~! 狐城さん。遊びに来たよっ」


 店のドアを開けて立花杏が入って来た。

 まるで中学生のように小柄で、短めの艶やかな黄色のツインテール、澄んだ黄色の瞳を持つ、セーラー服を着ていてとても、愛らしい少女だ。


「ああ、立花さん。いらっしゃい」


 狐城玲也は立花と呼んだ少女の方を向いて、さらっと軽く微笑む。


「今日は狐城さんに相談したいことがあるの」

 

 立花杏は明るい表情だったが、突然顔が曇る。玲也はそんな杏を見て気遣いながら、聞いて来た。


「どうしたのですか? 何かお困りごとでもあるように見えますが」


「うん、そうなの! 実はねっ、あたしの友達が一週間前におまじないの“狐の窓”を試しちゃったの。狐城さん、狐の窓って知ってる?」



「はい、知っていますよ。とても、危険なまじないです。特殊な指の形を作り、その間から、対象者、対象物を覗いて正体を見破るというものです。霊能力の無い、あるいは能力が低い人は決して、しない方が良いのですが……。それを立花さんのお友達がされてしまったと。恐らく、ネット等で知って面白半分でされてしまったのでしょうね」



「うん……その後もう、一週間も学校を休んでるの。何かあったんじゃないかなって」



 いつもなら元気で活発な杏だが今日は、うつむいて落ち込んでいる。玲也は椅子から立ち上がると杏に近寄り、黒色の手袋をはめた大きな手のひらで彼女の頭を優しく撫でた。


「……狐城さん」


 ほんのりと頬を染めて涙を浮かべ、玲也を見上げる杏に彼はふっと微笑む。


「大丈夫、私がそのお友達の様子を少し、てみましょう」


「ほんと? よろしくお願いします」







 ♠♤∴─────────────────────────∴♠♤

 お読みくださり、ありがとうございます。

 多分、あまり長くはならないとは思いますが……

 よろしくお願いします。

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