第11話 91〜100日目

第91話:誰かが待っている


「今日も遅かったな」


学校の帰り道、誰かが俺を待っていた。

"待たれる"って、こんな気持ちになるんだな。









92日目   昔の写真


部屋を整理していたら、昔の写真が出てきた。


笑っている自分。

隣には、家族や友達。


こんな時代もあったんだな……。







93日目   雨宿り


突然の雨。


屋根のある場所に駆け込むと、そこにクラスメイトがいた。


「びしょ濡れじゃん」

「お前もな」


なんてことない会話だけど、なぜか心に残った。







94日目:家族の声


「最近、元気そうだね」


母親が、何気なくそう言った。


"最近"って、いつからだ?

俺は、変わったんだろうか。






95日目   好きなもの


「お前って、何が好き?」


考え込んでしまった。

ずっと、自分の好きなものなんて考えてこなかった気がする。


「……わかんない」


でも、これから探しても遅くはないのかもしれない。


沢山見つけられたら変わったかな






96日目  心配してくれる人


「お前さ、本当に大丈夫なの?」


友達が真剣な顔で言った。


俺なんかを気にしてくれるやつがいる。

それを知って、胸が少しだけ熱くなった。









97日目  "死にたい"じゃなくなった日


気づいたら、"死にたい"と思わなくなっていた。


理由は分からない。

ただ、今日も普通に過ごして、普通に笑った。


それだけで、もう十分かもしれない。ああ、


俺は今死にたくない。








98日目   100日目には


「明後日、空いてる?」


誰かに誘われた。


"明日"があるのは当たり前じゃない。

でも、今はそれを楽しみに思える。







99日目  100日目の朝?


朝、目を覚ました。


……俺は、生きている。


それだけのことが、なんだか特別に思えた。









100日目  老衰してやる


100日間、俺は死のうと思っていた。


でも——


「こうなるぐらいなら、必死に生きて、老衰してやる!」


そう思えた。

それが、俺の"100日後の結末"だった。



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