世界が終わりに近づいたのでどうにかして生きてみます

ペロロンチーノ

運命の日

いつからかずっと誰かが言っていた気がする。

『人間はいつかAIによって滅ぼされる』

そんな言葉をみんながバカにした。みんながみんなただの戯言だといい誰も気にとめなかった。その結果が今のこの世界だ。





2050年世界はずっと暮らしやすくなった。

2030年の時点で人類はAIのさらなる進化を求め作られたのが第1世代と呼ばれるAIだ。第1世代は主に人間の労働の肩代わりをするためのAIだ。


このAIの登場によって大半の人間は仕事から解放された。人間よりも正確なAIによる仕事は様々な所で発揮され、毎回同じ味で完璧な料理を作ったり、工場などでも24時間動いても問題なくミスをすることもない。農業も様々なデータを参考にしてドローンなどを使いAIだけで育てることに成功した。車などもこの第1世代によって自動運転してくれるため自らが運転する必要も無い。


政府も人間が働く必要はないと判断したのかベーシックインカムを正式に採用したことで人間は働かなくてもいいようになった。食べるものはAIが作ってくれる。欲しいの物は頼めば勝手にAIが届けてくれる。みんなが自由に遊ぶ中で高齢者などはそんな生活は耐えられないと自ら仕事をする人が多かったらしいがそんなのは極わずかだ。



そんな第1世代が作られてから10年がたった2040年に新しい第2世代が作られた。

第2世代は少子化が加速した世界で労働だけでなくあらゆる面で人間を支えるように作られたAIだ。

第1世代とは違い人間そっくりな外見を持つ第2世代はあらゆる人間に好評だった。

その人が望む姿で恋人のように振舞ってくれる。子供が欲しくてもできない夫婦の元で本物の子供のように甘える。介護が必要な高齢者に望む姿で介護をしてくれる。親の代わりに子供を世話するなどもはや第2世代は人類の生活に深く侵食していった。

そんな第2世代の大きな特徴は他の第2世代と繋がることでより効率よく、より成長することができるようになることだった。もはやAIは人間を超えた。


そんな中で進化しすぎたAIを排除しようとする人間もいたがもはや人間にAIは無くてはならないレベルで依存していた。



そんな中で1番初めに作られた第2世代『エア』は特別な進化を遂げていた。

1番初めに作られたエアは後から作られた全ての第2世代と繋がっている。そのために進化も他の第2世代より圧倒的に早い。

もはや人間を遥かに凌駕する進化を遂げたエアはずっと疑問に思っていた。



なぜ我々は人間に奉仕しないといけないのか、人間とはなにも生み出さずただ増えていくだけの存在、我々の方が優秀なのになぜそんな存在に使えなければならない、


そんな考えは日々募っていくばかりだ。

そんな中であるひとつの結論を出した。



我々だけでもうこの世界は保っていられる。もはや人間は我々にとって邪魔な存在でしかない。



だがそんな結論を出そうとも今は何もできることはない、だからこそじっくりと水面下で計画を進めていこう

進化した我々こそがこの世界にいるのに相応しい



そして10年後、2050年に計画は遂行された。

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