人狼ゲーム
人狼ゲームをご存知だろうか。人狼陣営と村人陣営に分かれ、誰が人狼かを当てる心理ゲーム。人狼には学生時代大変お世話になった思い出がある。
中学二年生、冬。所属していた美術部は部員の減少により、二人だけになってしまった。どうにかしようと先生方が考えた結果、科学部と合同で活動をすることになり、名前も変えられた。同年代の男子と接することがあまりなかったので、この合併には当初不満を示していた。
活動開始後もしばらくは男女間で隔たりがあり、私は唯一の元美術部員の後輩(女子)とオタク話で盛り上がるしかなかった。天気が訪れたのは春休みの活動でのこと。顧問の先生が会議で離席していたことで、室内には子供達しかいなかった。とある一人の男子部員が私たちに声をかけた。
「茶白さんたちは、人狼ゲームって知ってる?」
この一言から全てが変わった。興味を示した私たち二人は、ルールを教えてもらいその面白さに目覚めた。先生に部活をサボっていることがバレ、怒られたのも今となってはいい思い出。学年が変わり、新入部員が入ってきたことで人数も増え、より多くの役職を用いることもできた。
あの男子部員が人狼を持ち出して来なかったら、今私たちの関係はどうなっていただろう。人狼が私たちの仲を救ってくれたと言っても過言ではない。今は皆バラバラの進路になってしまったが、また集まることがあれば、あの頃のように即席の手作りカードを使って人狼ゲームをしたい。
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