第37話
はい?と疑問に思う前に覆いかぶさるようにキスをされた。これ以上の言葉を飲み込むような長い口づけ。目を閉じることもなく受け入れれば驟もまっすぐにわたしを見つめていた。
呆然とするわたしに驟はその顔に甘い笑みを乗せて軽く唇を啄む。
「水月、好きだよ」
今度こそ頭が真っ白になった。すき、え。何それどういう意味ですか?と真面目に考えた。それぐらいわたしにとっては衝撃的なことで。
「う、そ…」
「本当だよ。君が好きだ。愛してる」
「あいし…?!やっ…だっ、て、好きな人、いるって、」
部長に言ってたじゃないかと言えば「あの場にいたのか?」と予想外の攻撃に当たったけどそこはスルーしておく。聞いていてショックから泣いて大人なのに仕事を放ったことはさすがに知られたくない。
「それにっ、驟だって…気づいてたんじゃないの?わたしがあの日、驟に近づいたのは…自分のためだった。自分が惨めだとか可哀そうだって認めるのが怖くて、絶対に嫌で、わたしより傷ついてボロボロな驟を…利用した」
本当はそんなわたしが驟を好きになる資格なんてないし、好きになってもらう資格はもっとない。
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