トリックステラ〜異界からの少年〜

きいろいの@入院などでお休み中

機動兵器と魔術がある世界から…

 科学と魔術が入り混じる世界にて…人々の命運を賭けた大きな作戦を実行されていた。


 巨大戦闘機動兵器、所謂人が搭乗する機体の戦闘部隊と大型戦艦は敵の本拠地へ向かいながら激戦を繰り広げていた。


 トリックシューターという名の機体に搭乗していた少年ブラックもその部隊の一員だった。

 敵機を撃墜したのは何機だろうか…。順調に本拠地へ進む中、海上に現れたのは一回り大きい機動兵器だった。


 ブラックはその機体とパイロットの声に覚えがあった。父親や知り合いがいた人工島ごと破壊した犯人であったことを…。

 これは仇を取るチャンスであるとともにブラック1人で相手を引き止め仲間を先に進めるという案を思いついた。


「こいつは俺がやる!トリックシューターのスピードなら囮にも出来るはずだ!」


 仲間から何度か否定されたが、長期戦でパイロットの魔力のケアや武器のエネルギー、弾薬の装填時間が必要になってきた…。考えた結果、全てはブラックが乗るトリックシューターに任せることとなった。その代わり「ここで死ぬな」と仲間達から言葉を貰った。


 仲間の進路を妨害しようと相手は動くが、ブラックは阻止し戦闘部隊と大型戦艦が先へ進むことが出来た。


 ここからは一対一の命を賭けた戦いが始まる。


 ブラックは相手に牽制攻撃を行いながら敵機の性能を伺う。敵機大型レーザーを撃ってくる時に射出モーションを見て軌道を予測、ブラックは空中で回避をする。敵の武器の威力は凄まじい上に装甲が厚く、今使える武装や魔導技では墜とすのは難しい。このまま回避し続ければいずれ動きが読まれて直撃してしまうだろう。


「くっ…ここでやらなきゃ!父さん達の仇も取れない…信じてくれた仲間を裏切ってしまう…!」


 ブラックはトリックシューターに語りかける。


「お前のデータの中に強力な力があるのは知っている…ほぼ捨て身な技だけど…俺は死ぬ気じゃないから!」


 操縦桿を強く握り全神経に魔力を巡らせトリックシューターに想いを送り込む。


 「トリックシューター!あいつを倒す為に…俺に力を貸してくれ!!!」


 ブラックが叫ぶとトリックシューターはその言葉に応えるかのように光り輝き猛スピードで敵機に突撃する。相手は回避する余裕もなく装甲をぶち抜かれて爆散した。


 そして光り輝いていたトリックシューターは消えていったのだった…。


 流れ星のように…。







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———





 古い建造物が多い街コカドト。古代人が作ったと思われる石碑や彫刻がある。さらには歴史資料館や世界の歴史を纏めた書籍が集められた図書館が街中に建造されている。


「おーい、誰か寝床貸してくれる場所ないかー?」


 住民の中年男性がみんなに声をかける。


「どしたんだ?」

「なんか旅人さんらしき人が街の外で倒れちゃっててー」

「若い子がこんなとこでか?」


 コカドトの住民達が集まってくる。中年男性が引いていた荷台には気絶しているブラックと大きな武器らしきものが乗っていた。




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