「いい曲」が「いい歌」になる瞬間に世界は少し立体になる

大雨がくれた冷気を身に纏い他人行儀な夜の町並み

ツンデレのデレにしたとて強すぎる日差しを浴びてこぼれる苦笑

ケッペンの気候区分の説めいに誘われるまままたひとり寝ｒ

店先に売れ残ってる風鈴がしぶとく夏を生き返らせる

どこからか搔き消えそうに声がする「鳴き足りない」と蝉の幽霊

月光のスポットライトはこの街の主役もモブも等しく照らす

エアコンの26℃は偽物と教えてくれる秋分の風

偉そうに自称駅長（鳩）が歩き回る夕方の駅

朝焼けの中をカラスが飛びながら裏切りという名の糞をする

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