第33話

影の連合幹部・ノクターンを撃破。

俺は「真なる世界創造トゥルー・ワールド」を発動し、無音の世界を打ち破った。


しかし——戦いはまだ終わらない。


『風間凌、次の敵が動き出す。』


「次の敵か……。」


カインが端末を操作し、俺に新たな情報を送る。


【影の連合 幹部・“時の監視者”オメガ】

「次は、お前の“時間”を消しに行く。」


「……時間操作か。」


「なら、未来を超えるしかねぇな。」


俺は剣を握りしめた。


数日後——


俺は影の連合の指定した場所に向かった。


時が止まった都市。


「……!?」


空間が静まり返り、風すら動いていない。


「お前が風間凌か。」


冷たい声が響く。


ビルの上から、黒いマントを纏った男がゆっくりと降りてくる。


「俺は“時の監視者”オメガ。」


「お前の動きを“時間ごと消し去る”者だ。」


「……チッ。」


俺は剣を構える。


「お前も、俺を消すつもりか?」


オメガは微笑む。


「いや、俺はただ、お前の時間を奪うだけだ。」


次の瞬間——


『風間凌、5秒後に時間停止が発動する。』


「……っ!!」


「——止まれ。」


オメガが指を鳴らした瞬間、


俺の体が止まった。


「……!!?」


頭は動く。意識もある。

だが——体が、一切動かない。


「お前の“未来創造”も、“時間”がなければ意味を成さない。」


オメガが俺にゆっくりと近づく。


「ここで終わりだ、風間凌。」


「……っは。」


俺は笑う。


「お前の時間停止が完璧なら、なんで俺はまだ考えられるんだ?」


オメガが表情を変える。


「なに……?」


「お前は確かに時間を止めた。」


「でも、“意識”まで止められない時点で、お前の能力は“完全”じゃねぇ。」


「つまり——俺の新たな力が発動する隙がある!!」


『風間凌、時間を創り出す。』


「——バシュンッ!!」


時間が、俺の中だけで動き出す。


「……なっ!?」


オメガが驚愕する。


「俺の新たなスキル——時間創造タイム・クリエイト。」


「お前が時間を止めるなら、俺は“新しい時間”を生み出す!!」


「……馬鹿な……!!?」


俺は剣を振るう。


「この世界では、お前の時間停止は通じない。」


「ここは、俺の作った時間の中だからな!!」


「終わりだ!!」


俺はオメガに向かって全力で突撃した——!!


「クソッ……!!」


オメガが抵抗しようとするが、すでに遅い。


「時間を止めるより、時間を創る方が強いんだよ!!」


『オメガの時間停止能力を完全無効化する。』


「なっ……!!」


「終わりだ!!!」


——ズバァァァッ!!


俺の剣が、オメガを貫いた。


「……っ!!」


オメガの体がゆっくりと崩れ落ちる。


「お前は……時間さえ超えたのか。」


俺は剣を収める。


「もう、“時間”なんて関係ねぇよ。」


「これからは、俺が未来を創る。」


——影の連合 幹部・オメガ、撃破!!


オメガを倒した直後、俺の端末が振動する。


【影の連合 総帥・“虚無の王”レヴィア】

「お前は、ついにここまで来たか。」

「次は——俺が相手をする。」


「……来たな。」


カインが言う。


「影の連合のトップ、“虚無の王”レヴィア。」


「奴は、お前の“世界創造”ですら無に帰す力を持っている。」


「……だったら。」


俺は剣を握りしめる。


「“虚無”を超える、新たな力を創るしかねぇな。」


「行くぞ。」





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