第14話

「ランキング10位以上は、ただの配信者じゃない。」


京が意味深な言葉を残した後、俺は配信を終えた。


『おつ~~!』

『神配信感謝』

『風間さんおつです』


視聴者数は8,200人を超え、コメント欄は熱狂の渦だった。

だが、俺の心には不安が広がっていた。


『風間凌、おめでとう。だが、お前はもう“消される”側に入ったぞ。』


あの未来予知コメント——

まるで、俺の命が危険に晒されるかのような警告だった。


「……ランキング10位の向こう側って、一体どういう意味だ?」


京は静かに言った。


「お前、本当に知らなかったのか?」


「何をだ?」


京は少し考えた後、ゆっくりと口を開く。


「ランキング10位以上の配信者は、“表”の世界にいるわけじゃない。」


「……?」


「俺たちは、もう“別のゲーム”に巻き込まれているんだよ。」


ランキング10位の“特権”とはいったいなんなんだ?


翌日——


俺のもとに“”から連絡が来た。

以前、ダンジョン配信中に俺を襲った政府のだ。


「お前を正式に“オラクル”の監視対象から外すことになった。」


「は?」


「ランキング10位以上の配信者は、政府の干渉を受けない。」


「……どういうことだ?」


スーツの男は淡々と答えた。


「君は、もう“ただの配信者”ではない。これからは、ランキング10位以上の者だけが知る秘密を知ることになる。」


「……つまり?」


「お前は、世界の裏側に足を踏み入れたということだ。」


「……。」


嫌な予感がする。


「君には、ランキング10位以上の配信者だけが参加できる“秘密の会合”の招待が届くだろう。」


「秘密の会合?」


「詳しくは、自分の目で確かめるといい。」


そう言い残し、男は去っていった。


ランキング10位以上の者たち

数日後——


俺のもとに、一通の招待状が届いた。


『ランキング10位以上限定、特別会合』

『場所:非公開』

『参加者のみが知ることが許される』


「……何だよ、これ。」


レイが横から覗き込む。


「これは……トップ配信者の“秘密の集まり”ってこと?」


「そんなもんがあるのかよ……。」


京が小さく笑う。


「やっと、お前も“本物のトップ”になったってことだ。」


「……行くしかねぇな。」


俺たちは、ランキング10位以上の者しか知ることができない世界へと足を踏み入れることになった。


招待状に記された場所へ向かうと、俺たちはとある超高層ビルに案内された。


「ここは……?」


「“”だ。」


京が言った。


「ランキング10位以上の配信者たちが集まる場所——それがブラックサーバー。」


ビルの最上階へと案内されると、すでに何人かの人間が集まっていた。


その顔ぶれを見て、俺は息を飲んだ。


「……マジかよ。」


そこには——


世界ランキング上位の配信者たちが、全員揃っていた。


世界ランキング上位の配信者たち

部屋の中央に座っていたのは、世界ランキング1位の男だった。


「お前が風間凌か。」


彼は俺をじっと見つめた後、静かに言った。


「俺は“カイン”——世界ランキング1位の配信者だ。」


「……!」


まさか、世界トップの男とこんなに早く対面することになるとは思わなかった。


「ランキング10位に入ったってことは、お前もこの世界のルールを知る必要がある。」


「……ルール?」


カインはゆっくりと微笑む。


「ここにいる者たちは、ただの配信者じゃない。」


「……。」


「俺たちは、世界の支配者に挑む者たちだ。」


「……は?」


俺は言葉を失った。


「この会合は、“世界の裏側”と戦う者たちの集まりだ。」


「戦う……?」


カインは静かに言った。


「世界の政府、大企業、そして……“影の組織”。」


「……っ。」


「ランキング10位以上に入ったお前は、もう逃げられない。」


「ここから先は、“配信”という枠を超えた戦いが始まるんだよ。」


「……マジかよ。」


俺は握りしめた拳を見つめる。


「お前がどんな選択をするのか——楽しみにしている。」


カインはそう言い残し、部屋の奥へと消えていった。


俺は知らなかった。


ランキング10位以上の世界が、ここまで“異常”なものだったとは——。









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