第3話 嫌な場所
昨日は、いろいろありすぎて正直あまり眠れなかった。けど、スッキリした。自分がやるべきことを。信頼する友達をつくる。そうすれば俺は解放され死ねる。
「はぁ〜学校かぁ1年ぶりかな」
身支度しながら最後に学校へ行った日を思い出す。が、どうも思い出すことができない。ここ数ヶ月放心状態だったからなー。
けど、クソみたいなとこなんだろな。まさか、全員改心してるとかはないだろな
「行ったところで何があるんだか」
家を出た。重くも軽くもある足で学校を目指した。
***
「おはようございます」
久しぶりの登校だ。
第一印象。ゴミだ。
相変わらず底辺高校であるせいか。
弱そうな奴を過度にイジっていたり叩いていたりしていた。それをみて女子どもが笑う。やっぱ偽善者の集まりってのは変わらんのを空気で感じられーーーー
「は?」
俺の机には、いつ置かれたのかわからない萎れた花が置いてあった。イジメか。周囲を見る。
バーカとも聞こえる囁き声が聞こえた。笑っているやつも数人。コイツらは偽善者ですらないのか。てか、コイツら俺がいない間にもコケにしてたのか。
そんなイタズラも関係なくその席に座って朝の会を、待っていた。
キーンコーンカーンコーン
「おはよう、日直号令」
先生が入ってきた。俺の嫌いな存在だ。若いが気力がないやる気のなさそうな感じのやつだ。
「おお、知らんやついるな。お前勝手に入ってくんな」
「え、俺甲斐田ショウですけど…」
「あぁ。めんどくさ。あと1年経てば卒業なんだから最後まで登校すんなよ」
そう、めんどくさがりながら俺を軽蔑するように言った。
あ?コイツ教員免許もってんのか?揃いも揃ってクズなんだなこのクラスは。
「まぁ、今日は一人転校生きてるから紹介する。入れ」
転校生なんてどうでもいい。
いや、もうかわいそうまである。こんなクソの溜まり場じゃ1周間も持たないだーーーー
「オィーす。アマネでーす。シクヨロチャンベイベ」
「は?」
いきなり入ってきた人物に驚いて声すらも出してしまった。
おいおいおいおいおいおいいい。
なんでアマネさんがいるんだよー!?戸籍持ってるのー!?
「あーと席は、底のクソみたいなやつ。そうそう花が置かれてっとこの隣。隣の席の花はどけていいよ」
花?俺の隣の席に目をやると、その机にも花が置いてあった。他にもいじめ被害出したのかよ。
「ぷー、クソみたいなやつだってw」
笑いながら、アマネが椅子に腰掛ける。
この人どうやって入学できたんだよ。
「軽く今日の日課連絡するからなー」
周りからの視線が痛い。いきなり不登校になったやつと転校(?)してきた奴が来たのだからか?
***
昼休みの屋上。禁止されているエリアだがバレなきゃいい。
「アマネさんどうやって入学したんですか?」
「テキトーにやったら行けたわ、事前に学校聞いておいて良かったー」
そう気の抜けた声で返答される。
そういえば帰り際にそんなこと聞かれたなと思い出した。
このためだったのか。しかし何だテキトーとは。この世界ってもっと細かいんじゃ?
「てか、どうですか?」
「なにが」
「クラスの雰囲気」
本来の目的を話し合う。
学校に来たはいいけどとても友達なんて作れそうな感じがない。アマネさんからみていい人いるか?俺はいないと思う。そう断言できる。
「ダメだ腐りきってやがる連中ばっか」
そう、拗ねているとも取れる声で言う。
あ、キレてら。そりゃそうよ。なぜだか俺ならまだしもアマネさんもこの数時間で嫌がらせされている。わざと実験室と反対の方の教室を教えたり、机にラクガキ。まぁ今日は早帰りらしいからもうすぐ帰れる。
「教室戻りましょう」
「やっと帰れるなー」
そろそろ昼休みも終わって帰会だ。そしてこの学校じゃないとこで友達をつくろう。
そう考えてながら教室に帰っていた。
ら
「なんだよ、これ」
「え?」
アマネさんのカバンはバッサリ切れていて、机の中には教科書ではなく土が入っていた。
アマネさんは訳が分からず呆然と立ち尽くしいる。
「もういいか、ぶん殴ろうかな」
そう言ったのは俺だ。
腹の底から思ったままを吐き出した怒り。
「....やめとけって」
アマネさんに短く言い放たれた。
罪なんて偽善だ。自分を守るために他の人に守らせる。俺はどうにでもなれる。だからこんなしょうもないやつを殴ってやりたい。
「アマネさん悔しくないんですか...!」
つい、声を荒げて言ってしまった。
コイツらはやりすぎてる。殺されても天国に行けないし、殺しても地獄に落ちる。
「まあまあ、とりあえず席つこうか」
「?」
なぜかアマネさんはニマニマしながら座るよう促した。なんだ、ストレスかかりすぎたら笑う現象か?不安を残したまま放課後を迎えた。
***
放課後喫茶店。
暗い気持ちながらも前回、前々回同様のイジリを心の隅で期待しているが今回は沈黙が続く。
「ぷ、ブハハハハハハ」
かと思いきや大きな笑い声が沈黙を破る。
「何笑ってんですか!」
急に笑って!この人ホントに壊れたかもしれない。てか、そろそろこの喫茶店の迷惑か?最近うるさくしてばかりだが
「いや、だって今時いじめって、クククッ。」
「メンタル強すぎる」
長年生きてるからこんなのへっちゃらなのか!?
いややばいだろ。ちょっとは動揺したはずてじょ。少し暗い顔してたし。
「本当に何で笑ってんですか?いじめられてるのに!」
「そんなんで怒る?」
怒るも何も俺はそれがきっかけで死にたかったんだが?見てるだけでもつらい。もうクソすぎてあんなとこ二度と戻りたくないと心の底から思った。
「もう学校なんて行きません。アマネさんも理解したでしょう?あんなんで友達どころじゃないです。」
「なら変えればいい。別のとこに」
急にとんでも無いことを言い出した。
は?転校ってこと?いやいやめんどくさすぎでしょ。
「朝から君のクラスの実態を隠しカメラ、ボイスレコーダーでとらせてもらった」
「は!?まさか!」
いや。流石に
「校長に突き出す。」
「やばすぎだろ!」
「てかもう脅...突き出した。」
マジか。大事にしてほしくなかったのに。
「君と私は明日から違うクラスに移動になるそうだ。」
「そんなの学校が」
「いや脅したから、校長もやむなしだったわ」
おいおいマジかよ。面倒なことにしてくれやがって。
「また、廊下とかでまた変なことされるかもしれないじゃないか!」
「そうしたらまた、やればいい」
「いちいちですか!」
結果の先に何があるかコイツは全く理解してない。あの惨劇を繰り返すんだったらもう行きたくない。
いちいち、あんな奴らに付き合いたくない。
大体わかりきってたことだあいつらはいやだ。
「そうやって逃げるのか?自分で改善できるのに、そうやって嫌なことから逃げ出そうとするのか?」
「あんな奴らになんで!」
「向き合え。そんなやつらでも向き合え。オマエは本当に何をしたい」
論点がズレてるぞ?
そう思うが反論もできず。聞かれた問いに答える。
「友達をつくりたい」
「なら、人に向き合っていけ。じゃないと相手がどんなやつなのかわからん。」
人に向き合う。確かに逃げていたかもしれない。けどそれは、本当に意味はあるのか。
「向き合わないやつは友達はおろか人は寄ってこない。」
向き合わなくても友達は作れる。だろう。けどどうなんだろう向き合い、通じ合った友達なら。それこそ望んだ友達なのでは?
「わかりました。頑張ります」
「うむ、それでいい。」
***
翌日。俺らは、別のクラスに移動するのだが、その前に校長室へ呼ばれた。
「分かってるな?お前たちのワガママをきいてやったんだ、あのことは内緒でな?」
「校長センセー、これはWinWinな約束であるハズでしょ。その態度じゃ気にくわんね」
なんちゅーこといいよるこの人。これ以上踏み込むなよ。これ以上揉め事は増やしたくないんだ。
「ああ、すまない。でも本当に頼むバレたらこの職から追放されるんだ。」
「わーったよ」
どうやらこの校長はプライドが高いらしい。この職は子供のためとか言ってる教師たちも偽善なんだろな。
まぁこれからも変わらんよ。クラスが変わったとて、人間は偽善の塊なんだ。この学校では友達なんて作れないとは思うが。まあものは試しにってことか。
そう思いながら新しい教室へ歩いて行ったのであった。
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