第7話 真実 Wahrheit

アーモニア帝国、帝都・ベーラン

タンペルホーフェ=シェーネバルク区内

ベーラン市警本部ポリツァィ・プラシディウム

新皇帝歴1年4月21日

午前10時45分頃


魔法映像マギー・ビルトは立体的で赤い文字で書かれていた。


「ね・・・マッシュミ・・・何書いてあるの?」


リベッシュが再び質問した。


マッシュミリエンは思わず杖を出して、光魔法リヒト・マギーの一種である隠しフェアボグネ を部屋全体にかけた。


「何のことなの・・・マッシュミ?」


「俺たちは知ってはならない真実が書かれている・・・」


「ええ?どういうことなの?」


「新皇帝は・・・異世界人だ・・・悪の・・・」


魔法はきちんとかかっていることを確認した後、マッシュミリエンは緊張と恐怖を入り混じった表情で彼女に伝えた。


「有り得ないわ・・・」


「俺もそう思うが・・・魔法義眼マギー・アオゲはリベの魔力に反応したのは理由がある・・・血縁だからか・・・それとも別の理由なのか・・・」


「血縁だと思うわ。」


「そうだな。」


リベッシュは義眼を見つめた。その時、また別の字が立体映像として浮かんできた。


【人族以外・ハ・全員・抹殺・ヲ・計画】


「そんな・・・」


「何書いてあるの?」


「人族以外は全員抹殺だ・・・」


「わたし・・・怖いわ・・・」


「ああ・・・どうやら、俺たちは侯爵が殺された理由がわかった。」


「どうすればいいの?ねえ?」


「取り合えず・・・上層部へ報告ができないと思ってもいい・・・逃げる他ない。」


「追われると思うの・・・」


「ああ・・・間違いなく・・・だから手際よく犯人を発表したんだ・・・そして証拠を潰すつもりだろうな。」


「私・・・あてがあるの・・・」


「本当に?」


「はい・・・ブロテン連合国に親戚がいるの。」


「ならば大使館へ行こう・・・そしてその義眼を隠して。」


「わかった。」


「俺たち以外は他言無用。」


「報告をどうする?」


「今逃げたら・・・怪しいだろうな・・取り合えず報告をまとめて、提出したら夕方に落ち合おう。」


「わかったわ・・・こんなことになるとは・・・」


「誰も思ってないだろうな・・・」


マッシュミリエンは魔法を解除し、同じ建物にある捜査官用の事務所へと向かった。

リベッシュも報告を書くため、自分のオフィスに入った。


捜査官用事務所ではシュミーツは先に来ていて、自分の机に座っていた。


「どうでした?仲直りできたのですか?」


「ちょっとかな・・」


マッシュミリエンは居心地悪そうに返事した。


「マウンバットンさんはいい人ですからね。」


「わかっている・・・少しだけまた近づいたかな・・・」


「頑張ってくださいよ・・・ウエダーの奴の嫌がらせには辟易しているのですよ。」


「そうだな・・・悪いな・・シュミーツ。」


「いいえ、リッヘさんとは相棒 クンペルですからね。」


「そうだな・・・取り合えず報告をまとめて、お偉いさん方に送り、正式に引継ぎするよ。」


了解 アインフェアシュタンデンです!!」


「それにしても、案外、あっさりとしていますね。」


「仕方ない・・・上の命令は逆らえないな。」


「そうですね・・・」


「作業にかかろう・・・秘密ゲハイメ国家警察シュターツポリツァイは気長に待つように出来てないはずです。」


はいヤー !!」


二人は報告書作成を始めた。

終わった後、魔法電報マギー・テレグラムでヘイドリヘ大佐オーバースト へとすぐに送った。


「今日はリベッシュと夕飯を食べる約束をしたよ。また明日シュミーツ。」


「また明日リッヘ巡査部長サージャント。」


夕方17時頃、市警本部ポリツァィ・プラシディウムを出て、建物の前の公園でリベッシュを待った。


彼女は慌てる様子もなく、合流した。


彼らから100メートル離れた距離で文字通り存在感を消す魔法、消し レシェンで監視していた角刈りの赤髪の大男が立っていた。

同じ魔法で姿を隠していた長い黒髪で青い目の鑑識官のエンマー・ライヘットも隣に立っていた。


「何か見つけたと思います、男爵バロン。」


「そうだろうな。情報を吐き出させてから、消す。」


「お手伝いしますので、是非、長官ライターに私の働きを伝えていただけたらと思っています。」


「もちろんさ、心配無用だ。」


「ずっと森妖精エルフを解剖してみたいと思っていたのよ・・・例え半端もの

だったにしても・・・」


「情報を引き出したら、やるよ・・好きにすればいい。」


「ありがとうございます・・・それともう一人の協力者が間もなく、我々と合流します。」


「そうか・・・アイツもか・・・頼もしいのだ。」


大男と小柄な女性が近づいてきていたもう一人の協力者と合流した。




























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