第48話 まだ終わらない
「出場開始たった1分!小林選手、反撃の狼煙を上げる。1点目だぁぁ!!」
「すごいですね!まさか1人で全て決めるとは。さっきまでの試合を全て壊していきました!」
解説の人達も会場の人たちも、俺のプレーに歓声をあげていた。
そしてそれは...
「修斗くんー!!ナイスゴール!!」
「まだまだ取るぞ!!!」
無理を言ってベンチに入れてもらっている美咲もだった。
(やっぱり、嬉しいよな)
何もかも間違っていた。
美咲に見てもらうためのサッカーをいつの間にか、自分のため、楽しいからなんてことに置き換えていた。
「修斗、おかえり」
「ああ、ハットトリック決めてお前らに焼肉奢らせてやる」
「それは、勘弁願いたい」
アディショナルタイムは2分。
「行けるのか?」
「余裕すぎる」
美咲がみてくれるから、もっとかっこいいプレーをしたい。
プロみたいに、サッカーを知らなくてもかっこいいと思えるものを見せたい。
その後、同点弾を決めて、試合は延長戦へともつれ込んだ。
「修斗くん、流石だね」
「ああ、同点弾は決めたし、後は勝って終わらせるだけだ」
「修斗、見ろよ。相手校のやつら。お前に決められて完全に意気消沈しているぞ」
「そーやって油断して決められるなよ」
「どっかの迷惑かけたストライカーが取り返すから問題ない」
裕太から傷口に塩を塗られたが、自業自得だろう。
(だけど...)
最初から守りばっかだった事と、最初の2点差のせいで、チームメイトはかなり疲れている。
それは、いつもの数倍のシュートを止めていた慎二もだった。
「延長戦、絶対勝つぞ!!」
「「おー!!」」
俺はみんなを鼓舞しつつ、延長戦を始めた。
しかし、予想以上に疲れていたチームは、速攻を許してしまい、そのゴールネットを揺らされてしまった。
「慎二どうした?ユースに選ばれて気でも抜いたのか?」
「うるせぇ、次はない」
「まぁ、いいさ。このピッチにいる全員、俺の引き立て役だ」
「好きな女に気づかない鈍感エースがなんか言ってるぞー」
「うるさい!」
ゴールからボールを取りだして、キックオフに向かう裕太に叫びながら、次のゴールを考えていた。
(一番かっこいいのは...いや、あれだろ)
俺は次のゴールを思い浮かべ、ボールを裕太に預け敵本陣まで全力で走った。
「裕太!!出せ!!」
まだ中盤だが、十分すぎる場所で俺はボールを呼んだ。
しかし、俺に来るはずだったパスは相手にカットされていた。
(あいつがこんなミス...いや)
裕太のコントロールがズレた理由はただ1つ、さっきまでの試合の疲れが影響している。
「悪い修斗!」
「いいから戻れ!」
ここでもう一点決められたら、負け確。
(なら、決められなければいい)
俺は相手の力量を信じて自陣のゴールまで、全力で戻った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます