第40話 これでいいの
私は修斗くんの最後の問いに答えれなかった。
答えたら、今までの事が台無しになっちゃうから。
「ごめんね...修斗くん...ごめんね...」
私は修斗くんから見えなくなったのを確認してから、その場でこの涙が枯れるまで泣いていた。
(でも、これでいいの...修斗くんの邪魔はしたくないから)
「美咲...俺のせいでゴメンな。でも、修斗くんにちゃんと話せばこんな事...」
「お父さんは関係ないよ。私が修斗くんの為に出来ることなんて、これしか無いんだから」
「美咲、そんな事無いわよ。あの子は私達の親友の子なんだから」
「なら分かるでしょ!修斗くん、怪我をして、大好きなサッカーが出来なくなっても、気にするなって言うんだよ!そんなの...気にしないなんて無理だよ...」
私が見てなかったら、修斗くんは怪我なんてしないで、サッカーをしている時に見せる楽しそうな顔をしていける。
きっと、お父さん達も分かるはずだった。
修斗くんのお母さんがそんな人だったから。
「美咲...辛かったな」
お父さんとお母さんは、私を包むように慰めてくれた。
それでも、心に空いた大きな穴は埋まる事を知らず、この10年間の全てを無くしたようだった。
それを理解したから、溢れた言葉が出てきてしまう。
「何で私は修斗くんのサッカーを見れないの!私だって普通にしていたいのに!どうして...」
お父さんもお母さんも私の頭を撫でるだけで、特に何を言う訳でもなかった。
でも、何かをしてもらいたいわけじゃなかったんだと思う。
ただ、愚痴を零したかっただけ。
「嫌だよぉ...私に優しくしてくれて...そばにいて言いって言ってくれて、遊んでくれる修斗くんから離れないと行けないの...死にたくなるほど、嫌だよぉ!!」
私は修斗くんが好きだった。大好きだった。
修斗くんと一緒にいたあの公園が好きだった。
何を話す訳じゃなくても、修斗くんがサッカーをして、私がそれを見る。
そんな、普通過ぎるほどの毎日が、楽しくて仕方がなかった。
「でも、修斗くんの邪魔したくないの...修斗くんにいっぱい助けてもらったから、私にできることはをしたいの。だから」
私はその涙を枯らして、立ち上がった。
「これでいいの」
それでも、わがままかもしれない。
でも、これだけは許して欲しい。
(修斗くん、せめて心の中だけでも、応援させてね)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます