本当にあった怖い話〜神宮寺霊子変態遭遇記〜

ドン・ブレイザー

第1話「車内に潜む者」

 これは私神宮寺霊子が体験した、本当にあったお話です。


 その日は朝から出かける用事があり、私は友人の智子と一緒に電車に乗り込みました。ちょうど通勤ラッシュの時間だったため車内は満員で、座るどころか身動きすらとれません。私はそんな状況に「ちょっと時間をずらせばよかったかな?」と少し後悔していました。




 そんな時、それは起こったのです。





 突然、何者かが私のお尻を触りました。満員の電車なので、最初は偶然他の人の手が当たったのかと思っていましたが、次第にその手は私のお尻をしっかりと握り、激しく揉みしだき始めたのです。


 ここまできて、それが痴漢だと気づいた私でしたが、恐怖で声を上げることができません。とにかく早く痴漢にいなくなって欲しいと願いましたが、そんな私の思いとは裏腹に、痴漢はより一層激しく私のお尻を揉み上げます。


 しかし、その時私は重大な事実に気がついてしまったのです。




『この車両って女性専用車両だよね?』




 そう、私が乗っているのは女性専用車両だったのです。つまり男性の乗客はいません。だとすると、今私のお尻に触っている痴漢は一体何者なのでしょうか?


 私は真相を確かめるため、恐る恐るゆっくりと、後ろに振り向きました。すると……







 私の背後には、眼を充血させ涎を垂らしながら、一心不乱にお尻を揉みしだく友人、智子の姿があったのです!

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