第3話 頑固者のイワイワさん
双子のつぶりんとぽとりんは、さっと、木の実の中に身を隠しました。
「ふう、虫に座れるところだった。何とか助かった」
その時、木の実さんが話しかけてきました。
「やあ、こんにちは。僕は木の実だよ。僕は木の種なんだけど、大きくなるにはもっと広い場所に行かなきゃいけないんだ」
「どうやっていくの。君には足もないし、お金もないからバスにも乗れないよ」
「まあ、見ててごらん」
すると、遠くから大きな鳥が飛んできました。
「トリトリー。今日も大きな実がなっているな。いただきまーす」
「うわあああああ」
二人は木の実とともに食べられてしまいました。
トリさんが消化できなかった種は、川の上にポトリ。つぶりんとぽとりんと種さんは川の中を流れていきます。
そこで、種さんは中州に引っかかりました。
「またねー。気を付けていってらっしゃい」
「種さんも大きくなってね」
二人は種さんとお別れの挨拶をしました。
川の上流は流れが急でしたが、中流になると流れは緩やかになりました。
双子のつぶりんとぽとりんは川の中のイワイワさんに引っかかりました。
「いてて、おいやめろ。角が欠けるじゃないか」
イワイワさんの声にぽとりんはびっくり。
「うわわわ、ごめんなさい」
イワイワさんのごつごつした気難しそうな顔を見ながら、つぶりんは言いました。
「そんなに固いのに欠けるわけないでしょ」
「いやいやそんなことない。つぶつぶが小さくても、繰り返しぶつかることで欠けていくんだよ」
その時です。上流で発生した鉄砲水が三人を襲いました。
「うわー」
つぶりんとぽとりんとイワイワさんは濁流にのまれて下流に流されてしまいました。
「いたたた、ぽとりんだいじょうぶ?」
「みて、イワイワさんの顔が・・・」
気が付くとイワイワさんのごつごつした顔はつるつるになっていました。
「あら、なんだか、生まれ変わったみたい・・・おほほほ」
なんだか、イワイワさんが、ツルツルさんになって、性格まで変わってしまったようでした。
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