内閣府直轄公文書館責任編纂 / ウィンチェスター王国史 ~後世の歴史家を悩ます聖女と王子の短編集~
3バカはラッキースケベに全力です!(それをラッキースケベと言うのかはともかく、一括りにしないで欲しい)
3バカはラッキースケベに全力です!(それをラッキースケベと言うのかはともかく、一括りにしないで欲しい)
「きゃっ」
風のいたずら。女の子達がスカートの裾を抑えた。いや、君らはどうでも良いよ。
「おい、物部。マジマジ見るな」
「
「……ない」
「今の間はなにさ?」
クスクス笑う。がさつな物言いのくせに、変に紳士的なのだ
ただ、榊原さんだけ、スカートが捲れないのは不自然だ。庚のあからさまにガッカリな顔。まぁ、でも期待するだけ無駄というもので。異国の王子、アステリア・ユグドラシル・ウィンチェスター。
ただ、庚にはそれがお気に召さないようで――。
「そういえば、
「また、ろくでもないモノだろ……」
「スカートもズボンもめくっちゃう呪符だって」
「バカ、霊衣を無効化する呪符だ」
「脱がすのは一緒じゃん」
僕は苦笑する。
(無駄とは思うけれど、僕は嫌いじゃないよ)
そう心の中でえ呟いてあげる。
「良いじゃん」
一方の
殿下に呪をぶつけようとしているのが、見え見えだった。
「あ、バカ――」
辛が声をあげるが、時すでに遅し。
呪はすでに起動していた。
だが、そこはウィンチェスター殿下。指で宙をなぞるように踊らせて――。
風が、僕らを煽る。
「なんで?!」
ペロンと、庚の制服のズボンが風に舞い、そして容赦なく飛んでいく。
周囲の女性の悲鳴で、耳が痛い。
そして榊原さん、ガン見――あ、殿下にその手で目を塞がれた。
「なにやってんだかねぇ」
「……これは改良の余地があるな」
「物部、浅川! 言ってる場合じゃないだろ?! 絶体絶命の危機なんだけど?」
「君が社会的にね」
僕はケタケタ笑う。
陰陽師きっての三バカと言われた僕たち。その後先考えないおバカな行動まで、異国の歴史書に記されることになるなんて。そんなこと、露にも思わない14歳の春だった。
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次世代呪符製作倭人伝 シン・アサカワの軌跡 ~バカも寄れば文珠の智恵~より引用。
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