第5話

「あれ、健太郎けんたろうじゃん。、、、あっ、かすみさんも。」


そう声をかけて来たのは、何を隠そう、

今、最も重要な関係者、佐名田さなだくんであった。


「よぉ。」

僕は、ちょっと無愛想な返事をしてしまった。

しかも、よくよく見れば、佐名田さなだの隣には、

小柄で、小顔で、ショートボブのちょっとかわいい女の子。

しかも、しかも、一大事!!

二人は手を繋いでいる!!

晴子はるこには、トドメを刺す痛々しい状況。


僕は、うつむいている晴子はるこの顔を覗き込もうとすると、

両腕の袖でゴシゴシして顔を上げた彼女は、開口一番。


「ハロー!佐名田さなだくん!彼女さんとデートですか?」


「あ、あぁ、そうだよ。

これからジブリパーク行くんだ。」


「そっかぁ、いいなあ。」

僕は、ドギマギするだけなんだが、

懸命に受け答えする晴子はるこは、強いね。


「、、、二人、仲良いと思っていたけど、やっぱり付き合ってるの?」

思いがけない佐名田さなだの問いかけ。


「違うよぉ、健太郎けんたろうは、仲が良い、ただの幼馴染ぃ。」

またまた強い晴子はるこの答え。

「私もジブリパーク行きたいなぁ。」


「一緒に行こう!って言いたいところだけど、

あそこ、入場は予約がいるんだよね。

前々から計画しておかないとね。」

「ね!」

そう言って、彼女さんに目を合わせる佐名田さなだくん。

「うん。」

彼女さんも嬉しそう。


それを見た晴子はるこはまた顔を下す。

そして、キッと顔を上げると、満面の笑顔で、

「じゃあ、そろそろ行こうか、健太郎けんたろう!」


「えっ!え!、、、あ、あぁ、行こうか。」


「じゃあ、また。」


「またね。」







「、、、知らない子だったね。」


「そうだね。違う小学校なんだね、きっと。」

晴子はるこ、大丈夫?」


「うん、ありがと。

変な疑いかけてごめんね。」

あと、変な期待持たせて、ごめんね。」


「うん。、、、、僕は大丈夫。」


「強がらなくてもいいよ。」


「うん。、、、、。」


「ほら、泣くな。バレンタインデーは来年も来るよ。」


「泣いてねーーーし!」

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